あまだれのごとく

時々迷い込む後悔の森

19.9.2019

 

 

 

昨日から、ドレスデンに戻っている

 

夜が明ける前に、ポルトを出発

昨日、海の向こうから押し寄せていた深い霧が

街を埋めつくしていた

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その様子があまりに幻のようで

シャッターを切ったりしているうちに、

電車に滑り込み

 

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人の気配のないサン・ベントの駅は、

恐ろしく荘厳で、うつくしかった、けれども

 

 

 

なんとか無事に目的の鉄道に乗り込み、3時間

リスボンの空港に降り立つと

相変わらずの晴天が広がっていて

ここのの青色は、何処までも続くのだな

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そうして、ケルンで乗り継いで、

夜遅くにドレスデン空港に着く

 

 

 

“家に帰る”

そうはいっても、たった一日寝泊まりしただけの、

あのがらんどうの部屋

ほかの旅先で過ごした時間の方がよっぽど長くて

正直、帰っても家だなんて思えるのかな、そう思っていたけど

 

やっぱり、それでも

見慣れたものが乱雑に置かれているだけでも

安心感が、段違い

 

ここで10ヶ月暮らしていくのだな

案外悪くないかも

そう思いながら、眠りについた

 

 

 

翌日、目覚ましをかけずとも目覚めたのは7時

けれど、予想以上に冷え込む朝方に、

まだベッドに潜り込んでいたい気持ちが勝って、

1時間、うとうと

 

それから真っ先にインターネットを手に入れにスーパーへ

昨日の夜、全くスマホをいじれなかったのは

本当に違和感がすごかったな

 

適当なカットソーに袖を通して出てきたのだけれど、

これが予想以上に、寒い

周りを見渡してみると、既にダウンを着ている人もちらほら

縮こまりながら、早足で並木通りを抜ける

 

悪戦苦闘しながらも、2時間後にはどうにかネットを手に入れ

帰ってきて、まずはご飯

 

それから、買い込んだ掃除道具を駆使して

裸足で歩ける床づくりを始めた

 

やはり、掃除してあるとはいえ、

予想以上に床は汚くて、

最初に乾拭き、それからシートで拭きまくり、

また最後に仕上げの乾拭き

 

だとしても、2時間も掛からずに終わる

砂だらけなのを掃出すよりも、きっとこっちの方が楽に違いないと思ったし、

何よりホーム感がましましに

やはり部屋はこうでなくっちゃね

 

そして細々したことを終わらせて、

同じ大学に留学する友達と、夜ご飯へ

 

少し歩いたところにあったスペイン料理屋に入ったのだけれど

これがまた、なかなか良かったので、また来ようね、と

 

話した内容は有意義で、予想外の収穫もあったし

日本人ばかりと関わるのは良くないけど、

いざと言う時の命綱は、やっぱりあった方がいいと思う

 

帰り、川沿いから眺める夜のドレスデン

あまりに美しくて、二人して驚いた

 

私が住む地区は旧市街なのだけれど、彼女は違う

「私も旧市街に住めばよかったなぁ」

とこぼす彼女に、

「私だって、トラムをおりてわざわざここに来るかは分からないけどね」

と返す

 

けれど、きっと何度でもくるんだろうな

何度でもこの贅沢を、目に焼き付けたい

帰り道も信じられないほど治安が良くて

(ベルリンに毒されているのかな、まだ)

何だか安心できる街だ、と思った

 

それから、今日気づいたのは、

ドレスデンの鐘の、澄んだ響き

 

これまでいくつもの都市を回って、

いくつもの音を聴いてきたけど、

ドレスデンの鐘の音は、

特別、心が洗われるような

 

それだけで、ここを選んで良かったと

強く思えるよ