今日はリスボン滞在最後の日
市内だけでも見そびれたところがあり、
後ろ髪を引かれる思いを抱えながら、シントラへ
シントラは、リスボンから列車で40分の都市
ここには豊かな自然と共に、
数々、そして様々な城や宮殿が密集している
世界遺産にも指定されていて
かの有名なバイロン卿も「エデンの園」と讃えたのだとか
さて、私が今回最初に見たのは、ペーナ宮殿
ここはマリア2世の夫、フェルナンド2世が建てたロマン主義の宮殿
遠くからでも目を引く、赤と黄の奇抜な色彩
これはロマン主義に傾倒した彼の趣味を反映しているのだという
こんな話、どこかで聞いたぞ、と調べると
やはり、と言ってはなんだけれど
彼はノイシュバンシュタイン城を建てた
ルートヴィッヒ2世の従兄弟に当たるのだという
いやはや、血は争えないね
それから急ぎ足で、ムーア人の城跡へ
実は、今日の観光は時間との勝負
少しでも選択を間違えると、全て回るのが難しくなってしまう
そもそも、私は朝にコンタクトを入れ忘れるというドジをやらかした
結果的には列車を一本見送ったのだけれど、
そもそも駅には大行列ができていたので、結果オーライ的な結末
けれど1時間近くロスをしてしまったことには変わりない
ここは、廃墟好き、それから城好きにはたまらない空間
けれど、実は昨日エレベーターに登ったあたりから
気づいたことなのだけれど、
私、最近高所恐怖症気味かもしれない、笑
そんなわけで、震えながらそれでも写真には収めたわけですが
この険しさと、荘厳さよ
絶対、建設に携わった人は怖かっただろうな、
というか死人は出ているだろうな、などと縁起でもないことを思った
それから、シントラ宮殿へ向かうバスで、
日本人の女性と偶然知り合う
彼女はポルトから巡っているらしかった
8月にマルタで短期留学をしていて、
その足でバックパッカーで欧州を巡っているのだとか
ポルトは、明後日訪れる
そして今回の旅の最大の目的地の一つでもあるし、
マルタ留学は、私が密かに考えていたことで
私がリスボンの情報を提供する代わりに、
それらのことについて聞けて、
いい情報交換になった
旅のご縁ってあるものだな
結局私は入場料の高さに目を剥いて、
シントラ宮殿よりも、お昼ご飯を取ってしまった、笑
それからレガレイア宮殿へ
ここはドラクエのお城みたいだ、と話題のところなのだけれど、
調べてみると、
古い貴族の館を、20世紀初頭、
イタリア人の建築家が改装したものなのだという
実際訪れてみると、何が何だかよく分からない
見たこともないような建築だ、というのが最初の感想だった
ゴシック、ルネサンス、マヌエル
様々な建築様式がごった煮状態になっており、
その不可解さが、不気味さに火をつける
これも調べてみると、
「宇宙」を意識して作られた庭園らしく
ただもうこれを回っていた時には、
かなり疲れていたのと、お腹がいっぱいすぎたのとで、
全体をさらう程度になってしまい
イマイチ深いところまでは観察できなかった、というのが正直なところ
悔しいけど、まあ仕方ないね
ここからバスの旅が始まる
シントラ駅まで戻って、バスを待ち、
ヨーロッパ最西端のロカ岬へ
最初、バスを降りた時、
大きな青い膜が、大地の向こうを覆っている
本当にそういう風に見えた
穏やかで、無音で、
海風だけが、びゅう、と吹き上げていた
だけれど、崖の近くまで行って、海を覗き込む
その瞬間に、激しい潮騒が耳に届く
永遠に寄せては白く打ち砕かれる波
眺めていると
もう今まで城を見てきたことも、疲れも、暑さも
全て、どうでもよくなってしまった
そんな時間も長くは続かず、
30分強でバスに乗り込み、カスカイスへ
他の人々は、そのまま駅に向かってしまったのだけれど、
それに驚きながら私は
リゾート地として有名な渚を眺めに、少しだけ歩いた
先ほどのロカ岬の海上とは対照的に、
たくさんのヨットがひしめき並ぶ
その前の砂浜で、夕暮れまでゆっくりしていた人が、
穏やかに時間を過ごしている
そしてカモメはまた、自由に舞う
水に入るのは、そこまで好きではないけれど、
水辺を眺めるのは、本当に好きだ
プランしていた時には、こんなに水辺を訪れる予定ではなかったのだけれど
不思議なことだね、本当に