あまだれのごとく

時々迷い込む後悔の森

18.2.2024

今週は、全体的に“過剰”気味
詰め込みすぎていることはわかっていたけれど、
えいや、と今飛び込まないと、一生無理な気もしていたので
必要な犠牲ではあった

 

連休明けの火曜日は、はじめてのリアルなトークイベントへ参加した
仕事の後にこんなに、はりきりすぎかしら、とか思ったけれど
結果からいうと、忘れられない夜になったので、
参加して、本当に、本当に良かった

 

現状に対する批判意識があるひとって、実在しているんだ、
ネットにいるだけじゃないんだ、という安心感と
やっぱり、本を読んだり動画を観たりすることの何倍もの刺激

 

結局、こういうイベントも、たとえば毎日参加したりしていたら、
もしかしたらどこかでマンネリ化してしまうのかもしれないし、
なにより刺激を受けることは、やっぱり疲れるので、
たまに、ここぞというときだけで、いいんだろうけど
集う“場”の強さというものを感じた

 

そうして久しぶりの資料作りとか、ハードな問題提起をしたりとか、
営業日が少なかったりとか、体調のことがあったりとか

 

怒涛の勢いで金曜日の夜に流れ込んで、
次の日は健康診断だというのに、日本酒をしっぽり飲める会

 

会う予定の度に、ままならぬ事情で会えていなかった友人に
2年ぶりくらいに会った

 

SNSを見て彼女ができたらしいということは知っていたけど
あの一生実家に居続けそうな雰囲気だった彼が、
そして本人も公認で関係が長続きしないと持ちきりだった彼が、
なんと同棲をはじめていたというだけでびっくりなのに

 

まさか隣駅(徒歩圏内)に住んでいたとは、
もう、ひっくりかえるかと思った!

 

人生いろいろあるけど、まさか帰り道もほとんど一緒とは、
会うまでは予想だにしなかったよ
そのうち近所で飲めたりするのかしら

 

挙句、土日は急遽、友人が泊まりにきたい!というものだから
もちろん大歓迎だったのだけれど、
健康診断が遅めだったので、色々準備が出遅れてしまってバタバタ

 

ちゃんともてなせなかった感が若干心残りだけど
おかげさまでとっても楽しい週末に

 

そんなこんなでイベントづくしで超疲れているのに
テンションが下がらないまま、YouTubeを聴きながら大掃除
その勢いで洗濯物も、料理も

 

おかげでお風呂場と廊下はピカピカになって
来週をすっきり迎えられそうで大満足だけど
まぁ、疲れた

 

そんなこんなで友人が置いていってくれた芋羊羹をつまんで
ようやく肩の荷を下ろし、気持ちを緩める夜の11時

いよいよ来週は彼が帰ってくるな
はりきりすぎるとよくない結果になる、
というのは前回学んだけれど

 

果たして今回は、ちゃんと受け容れられるかな

11.2.2024

バンドのライブなんて、もう長らく行ってなくて、どのバンドでもなんとなく踏み出せずにいたところ、

奇跡のようなツーマンが実演されることを聞いて、気づけばチケットを手にしていた

 

ライブハウスなんか入ったことないし

勝手がわからなくておどおど

 

入場順に前に入れることも知らなくて、

ただでさえ背が低いのに、前が全く見えない

 

やれやれと思っているうちに開演

いきなりスペゲのラブサマちゃんが出てきて、最初は全く見えなくて入り込めず、どうしたものかと思っていたけれど、

“心ない人”のイントロが鳴った瞬間、涙がきゅっと込み上げた

心ない人

心ない人

  • ラブリーサマーちゃん
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

生の音、生の声

いつも聴いてるはずの歌詞、メロディなのに

それがこんなにも、心を落ち着かなくさせる

 

涙の原因とか、歌詞の意味とか、

特によく聴いていた時代のこととか

全部が、文脈なく、パノラマのように、ひっきりなしに  

 

それでラブサマちゃんの一番好きな曲が“Falling”だっていうから、

完全一致していることに、本当はびっくりすべきかもしれないけれど、内心当然な気もしていて

だって、ブリグリを通ってきた方だもんね

 

ライブ映えする音ってたくさんあるんだなぁ

イヤホンから流れてきていたときは聴き流していた音も、一々ほおっておけない

 

そうして惜しまれながら、主催の揺らぎのターンに

レコードリリースのイベントだったから、基本的には“Here I stand” の曲中心にやるのかなと思っていたけど、

はじまりから“B/C”で、たぶん、ちゃんとおぼえてないけど、たぶん、揺らぎの中で最初に聴いた音で

だいぶ前の曲だから、まさかこのタイミングで生で浴びられるとは思っていなかった

 

 


www.youtube.com

揺らぎのサウンドは、私たちの感覚を、耳から、こことは切り離された何処かへ、一瞬で連れ去っていく

 

エフェクトがすごくかかっているから人工的なサウンドのはずなのに、太古からある自然を想起させる

 

だから森林浴とか、海水浴とかに近いような、“浴びる”という表現が、私の感覚には忠実な表現

 

目を閉じて、委ねて、そうして生命としての私たちの故郷へと導かれていく感覚

 

ラブサマちゃんが推してくれたとはいえ、

中盤以降からは今日は “Falling” はないかな、

と諦めていたのに、

「ラブサマちゃんが推してくれたから…」

とまさかのアンコールで追加してくれたの、奇跡でしかなくて、ほんとにさぁ

 

私はそんなに徳を積んだ覚えはないから、

きっと私と同じように願っていた徳の高い人があそこにはいたのでしょう

 

欲を言えば、“Underneath it all” を生で聴いてみたかったけど、

いつか聴ける機会はあるかしらね

 

6.2.2023

3日のところで書き忘れてしまったのだけれど、街を歩いていると

「〇〇学校 入学試験会場」

なんて仰々しい看板をいくつも見かけて

ああ、今日は多くの小学生にとって決戦の日なんだな、と自分のときを思い返していた

 

冷静に考えて博打に近いような日程だったのだけれど、あのときは絶対行けるという自信があって

今思えば、あのときが人生で最高に自信が持てていた日なんじゃないかしら、というくらい

 

そして卒業式では「ドイツで弁護士になる」なんて、小学生らしからぬ、けれどいかにも小学生な発想でそんな将来の夢を発表したのだっけ

 

あなたは、一応法学部に行くし、法律の授業はそこそことるけれど、全く違う道を辿っているよ、と苦笑いを浮かべたのと同時に、

 

でも、やっぱり全然変わってないんじゃないか、とも思った

 

本の世界に魅了されて、その業界の端っこに席を置いて、仕事をしていて、

モノ好きなのも、相変わらずで、

なにより、無目的にベルリンに“帰りたい”と思い続けている

(でもそのために、スウェーデン語を勉強しているなんて言ったら、どんな顔をするだろう)

 

そのベルリンが、少し変わろうとしているのかもしれない

 

今日、アートキュレーションのディレクターの人とのオンライン対談で

昨今のパレスチナ事情の影響で、最もアートと文化の保護が手厚くて、寛容だといわれていたドイツという土壌がボロボロになってしまっているということ、

愛知トリエンナーレで顕になった“不寛容性”にも関わらず、その問題について何の不自由もなく発言をできるのが、他ならぬ日本だということを聞いて、

絶対的な自由なんて、世界のどこにも存在しないんだな

分断と混乱の火元からの相対的な距離でしか、自由は測れないんだな、とかなしくなった

 

だから、妄想ばっかりが膨らんでいる気がするのはわかっているし、今日だってやっぱり絶望したのに、

 

それでもやっぱりベルリンに戻りたいのは、

一体全体、どうしてなんだろうね

 

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3.2.2024

 

今日の東京は、空のどこを切り取っても、霞ひとつない快晴

 

昨日まで牙を剥いていた寒波がすっとひいて
このまま、天に召されてしまうのではないかしら、という穏やかさ

 

わたしはというと、朝起きて、
コーヒーを挽き、パンを温め、バターとトマトを乗せてゆっくり食べる
そして、先日買ったカシューナッツをフライパンで炒って
ついでに、いつからあったかわからない限界アーモンドも、炒りなおす

マシにはなるけれど、酸化臭は否めない
というか本当は食べるのはあまり良くないんだろうけど、
貧乏性を発揮して、トラパネーゼ風ソースもどきを、有り合わせの食材で

 

 

匂いは、まあという感じだけれど、
ナッツとチーズとトマトのコクで濃厚な仕上がり
そういえば留学中も、くるみのペーストが入ったパスタソースが大好きだったな、
他のソースよりも割高だったから、自制するようにしていたけれど

 

それから、もちろん身支度を整えて、ちょっと遠めのパン屋巡り
だってこんなに晴れていて、次の日も予定がなくてゆったりできる土曜日に
出かけられなかったら、一生後悔する

 

ところで、わたしはほんとうに、“クロワッサンダマンド“によわい
先ほどアーモンドを食べたばっかりなのに、
早速一軒目のパン屋で、クロワッサンダマンドを発見し、
考える間もなく、トレイに載せていた

 

だってだって、大きくてつやっとした栗までが、真ん中にどしっと鎮座している
こんなのって、反則だ

 

 

耐えきれず、歩きながらつまむことにしたのだけれど、
本当に、おいしい!

 

結構お腹いっぱいかも、と思いつつ、口に運ぶ手が止まらず
結局ぺろっと完食してしまった

 

そして道中では、いい感じのカフェを発掘
高すぎなかったのでふらりと入店し、
カプチーノをオーダーしたら、素敵なデザインのカフェオレボウルに入ってきた

 

 

はあ、大好き、と心の中で呟きながら、アーレントの『人間の条件』をひらく

 

 

 

新訳といえども、やっぱり文章は難解で、1章までしか読み進められなかったけど
プロローグの印象的な一節を、記しておきたい

 

言葉にならない真理、言葉のはるか彼方にある真理が意味を持つのは、他者との関わりを持たない単数形の人間〔man in the singular〕、およそ政治的な存在でない人間にとってである。複数形の人間、この世界に生きて活動している人間にとって、経験が意味あるものとなるのは、彼らがそれを互いに話し合い、相手、そして自分自身に理解できるものにしているからなのだ。(p.19)

 

この後の章でも述べられているけれど、哲学者(的生き方)とは、プラトンの洞窟の比喩に印象的なように「単数形の人間」のイメージだったから、アーレントが人間の条件として「複数の人間」の中で生きること、そしてその間での言語コミュニケーションを強く意識していたというのは、意外だと感じた

 

そして、まさに生成型AIが幅を効かせはじめたこの時代に、この新訳が出ることの意義を噛み締める

 

最近「名前と存在」について、よく考える
サピア=ウォーフ仮説には強い批判もあるし、一概に言えない部分もあるけれど、
それでも、対象を五感の何かしらで捉えられない状況にいるときに、
その対象が言語化できていない場合、認識から抜け落ちてしまうだろう

 

わたしが中高のときに感じていた強い不快感は、
「ここにいるわたしのこと、周りからは見えていないのかもしれない」
という不安に発していたと思う

 

それは、弱者が“弱者”として名前を剥奪されていることに紐づいて起こっているようにみえる社会問題の大半と構造は類似しているような気がして

 

あのとき、そういう発想に至らなかったのは、ひとえにわたしに
自分が“弱者”であるという認識がなかったからで、
実際に弱者ではなかったような気がするし、それは幸運なことだった

 

部活で顧問に、
「見えない問題を見ることが、一番難しい」
と再三言われたことを思い出している

 

部活という制度は結局好きになれないままだったけれど、
あれだけの時間を投資したなりに、学びは得られていて、
何もしないよりは、いい経験になった

 

もうちょっと、世の中のいろんなことについて、
考えを巡らせる時間を、とっていきたい
そうすれば、もっと人間らしかったあの頃の自分を取り戻せるような気がする

 

 

1.2.2024

今日はもう、本当に限界寸前だった

 

とにかく、仕事がやってもやっても終わらない
わたしはもっと、必要不可欠な仕事をしたいのに
本当にこれは意味があるの?という作業が、
悪びれもせずに積み上がっていって、わたしを圧迫する

 

先輩に、大丈夫?そんなネガティブな態度を大っぴらにするのは珍しいね
と言われたとき、はじめてちょっとだけ涙ぐんでしまった
気付かれていないといいのだけど

 

そんなわけで、なんの余裕もないこんな日は、
近所のラーメン店に駆け込む

 

はっきり言って、小洒落たフレンチよりも確実に美味しい一杯を
1000円前後で提供してくれるこの店がなかったら、
耐えられなかった夜が、もういくつかあった

 

結局わたしは、手の届く、おいしい食べ物と
飽きのこない美しい品々に囲まれる日常が
人生の悲願であり、すべてなのだな


(もちろん、それを一緒に取り囲む人も必要だ)

 

舌も腹も満たされて、帰宅
玄関先に立って、そういえば、と宅配ボックスを確認すると
お届け物が入っていた

 

もう何年前に憧れていたかわからない、
ロンドンポタリーのティーポット

 

最近はあまりにあちこちで見かけるので、
面白みにかけるかな?と別のものも見ていたのだけれど

 

引っ越しのときに引き取らせてもらってそのまま使っていた
あまりに穴がざっくりすぎるハリオのサーバーだと
フルリーフならともかく、ブロークンだと茶漉しが必要なレベル

 

うーん、と悩んでいるときに、
ちょうどセールをやっていたのを発見
しかも、限定色も!

 

ということで、どの色にするか散々悩んだ末に、
フォレストグリーンをチョイス

 

正しい選択だったかな…と梱包を解きながらハラハラしたのだけれど、
色味を見て、これは使い込むうちに大正解になる色だ、と
心の中で小さくガッツポーズを決めた

 

 

わたしは紅茶だけじゃなくて、台湾茶も飲むので、
欧風にもオリエンタルにも合うもの、
家にすでにある茶器と戦わないものを、
そして飽きがこない色を、と絞ったときに、
最後グレージュとダークブラウンとこの色を残したのだけれど

 

やっぱりダークブラウンだったら、オリジナルの飴色がかわいいよな、
そしてやっぱり緑が好きだからな…とこちらに決めたのでした

 

写真で見ると、部屋の照明が赤っぽい関係で真っ黒にみえるのだけれど
実際は黒に近い暗緑色という感じで、
“夜色”と呼びたい、わたし的には
(むしろ手前のTEEMAの方がフォレストグリーンぽさはある)

 

そして今日は早速台湾茶を飲んでみている
いやはや、保温性も大満足
さっきまで職場で泣きそうになっていたのが嘘みたい

 

なにはともあれ、
少なくとも、大人らしく自分の機嫌は自分でとれたってことで

 

まだ木曜日、というのが信じがたいくらい
なんだか長い一週間だった

 

あと一日で今週も終わって、一旦休めるから
せめて明日は平和に終われますように!