あまだれのごとく

時々迷い込む後悔の森

15.9.2019

 

 

 

昨日は、本当に
不幸と幸福はよりあわせなのだな、と痛感した日

 

いざ、リスボンを出立して、
オビドスという街へバスで行こうとしてたのだけれど、
前日のシントラへの強行軍で疲れが溜まっていたのか、
出立時間の計算をミスってしまい、
バスを逃してしまった

 

すると、オビドスへ滞在できる時間がもはやないことに気づく
その後はナザレという街を訪れる予定
けれど、どうせバスターミナルは同じだろうし、と
当該ターミナルに地下鉄で行った

 

けれど、探しても探しても、どこでチケットを買えばいいのか分からない上に、
それらしきカウンターは、土曜日だからか閉まっている

 

挙句、どこでバスが発着するのかも、
誰に聞けば良いのかも分からず、
しかも、インターネットが全然拾えない

 

この時点でパニック状態だった、
こんなに重い荷物を背負って一人、
今夜滞在予定のコインブラに辿り着けなかったら、どうしよう

 

ようやく電波を一瞬拾えて、ナザレへの行き方を調べると、
なんと違うバスターミナルからしか直行便が出ていないという事実に直面

 

片道無駄にした、と慌ててチケットをまた買ったのだけれど、
動揺していたのか、有効化が終わらないうちに引き抜いてしまい
また払い直す羽目に

 

今思えば大したこのではないのだけれど、
いかんせん動揺していたので、こんなことで泣きそうになる

 

けれど、明らかに自分の精神状態が悪いままだと
また余計なことを引き起こすのは分かっていたから、
乗り換え駅で、またパステル・ド・ナタを一つ買って、
ボリボリ食べて、落ち着かせる

 

朝から何も胃に入れていなかった上、
こういう時は、やはり糖分頼み

 

無事ターミナルのある駅に着くと、
ここにはしっかりとしたバスターミナルが建っていて

 

もう、最初からこうすればよかった、とさえ思う
結局12時発のチケットを抑えて、
1時間半ほど、カフェオレを飲みながら待つ
快適ではないけれど、インターネットが入っていたので、
人へのメッセージを返したりしながら

 

 

 

そしてバスで2時間揺られて、
待ち望んでいた、ナザレへ

 

リスボンからポルトにかけて続く、コスタ・デ・プラタ
日本語に訳すと“銀の海岸”を意味するこの海岸線上には
数々の美しいビーチが存在する

 

美しい砂浜だけでなく、
独特の文化も残っているナザレは
そんな中でも、ヨーロッパ中から人を集める、リゾート地

 

朝から、本当にしんどい思いをしたし、
強い日差しと暑さの中、全荷物を背負って観光しなければならなかった

 

 

けれど、もうこの美しい景色を目に入れられたのだから、
なんだっていい

 

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2時間もいられないというわずかな時間だったけれど、
景色を堪能するには、これで十分

 

 

 

それからコインブラ行きのバスにまた乗ったのだけれど、
途中、雨が降り始めて、
予報を見ると、確かに今日のコインブラは雨

 

まあ、今日はもう観光はしないし、いいか、と思っていたら
私がついた頃には既に雨は上がっていた
晴れ女、おそるべし

着いたはいいものの、
Google mapで検索しても
地元の交通網が出てこない

 

やれやれと仕方なく、宿の場所と貼ってあった路線図を見比べて、
それっぽいバスに乗ることにしたのだけれど、
これが大正解だった上に、首尾よく最寄りで降りることに成功した

 

こんな奇跡あっていいの、と思いながら、宿に着くと
4人部屋だったのだけれど、オフシーズンのせいか
他に宿泊者の影もなく、独り占め

 

正直、いろんな理由で昨日までのホステルは快適ではなかった
(ホステルのせいではない)
ので、ほっと一息、いや歓喜した

 

そしてさっさと荷物を置いて
夜ご飯の場所を探す

 

実は、例のナタと大きなジェラート以外、
朝から何も食べていなかった

 

するとさっき通った道にあったカフェらしきお店が、
評価が高めだったし、郷土料理を出しているということで
もうなんでもいいや、と足を運ぶ

 

すると、食べ物も飲み物も安くてびっくり
やっぱり量が多いとはいえ、多少高かったのは
リズボン価格だったからなんだな
(これはシントラでも思った)

 

そして一押しを注文して待っていると、
続々と地元の人らしき人々が集まってくる

 

食事は、量は多いし、相変わらず少し塩気が強いけれど、
とても美味しい、
(特に、無駄にポテトフライが最高だった)

 

そして退席することには、満席になっていて
ちょうど良い時間帯に入ったのだな、とも思う

 

 

 

翌朝、ゆるゆると起き出す
なんと今日は朝食付きで、それが八時半からだったので、
それまでダラダラと荷詰め(と言っても一泊だし、大した手間ではない)

 

快くバックを預かってくれたので、
チェックアウト後、コインブラ観光を始める

 

 

 

歩き始めた瞬間、
「あ、リスボンより好きかも」と思う
それは朝だったおかげで人通りが少ないのもあったけれど

 

ここは大学都市として有名なのだけれど、
観光名所の通りなどでは、そんなに英語が通じる雰囲気でもない
かといって小さすぎず、適度なローカル感が心地よい

 

一つ教会を覗くと、ミサが開かれていて、
そうか、そういえば今日は日曜日だったな、と思い出す

 

まずは川を渡って、対岸のサンタ・クララ地区へ
同じ名前を持つ修道院を、二つ訪れる

 

片方は、教会が現在も使われているけれど、
もう片方は完全に、廃墟状態
というのも、度重なる洪水のおかげで、
丘の方に新しく建て直された

 

だから、新サンタ・クララ修道院は高い丘の上にあるのだけれど、
今日は死ぬほど暑い上に、前日の雨のおかげで蒸し暑い
綺麗に晴れていたけれど、
歩いて急坂を登るには厳しい天気

 

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登りきった頃には汗でぐっしょり
不敬ながら教会内であおいで乾かす他なかった

 

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旧い方のサンタ・クララ修道院は、
資料館とともに、発掘された修道院跡が公開されている

 

何もない、のだけれど
この静謐な美しさといったら

 

 

 

それから大学のある方の地区へ戻り、
いざ、コインブラ大学へ

 

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最古の大学に数えられるこの大学
建物自体も美しく、世界遺産にも登録されているくらいなのだけれど、
目玉はなんといっても、
王の命によって建設された、
精緻を極める装飾で彩られているジョアニナ図書館

 

私もこれを目的としてきたのだけれど、
ここで問題が

 

実は人気のあまり人数制限があるらしく、
私が入れる回は16時だった

 

当初15:30のバスでコインブラを出ようとしていた私には
誤算すぎたし、順番間違えたな、と思ったけれど
コインブラのことが気に入っていたし、
これを逃す他はない
長く滞在できる理由になるのをいいことに、チケットを買ってしまう

 

それから他の部分を見学して、
ゆったりと昼を食べて
再び急坂を登って訪れる

 

さて、コインブラで少なくとも私は、
日本人を一人も見かけなかった

 

けれど、なぜか説明には中国語はないのに、日本語が
変だな、と思っていると
何やらコインブラ大学と日本は深い結びつきがあるよう
日本についての文献が集められていたのも実はここだし、
天正少年使節団もここを訪れたのだという

 

そういえば、日本に最初にやってきた欧州人って
ポルトガル人だったね

 

そんな展示を見た後、お待ちかねの図書館
写真撮影は禁じられていたから、
ここにあげるものはないのだけれど
とにかく、壮麗

 

豪華さではウィーンの国立図書館に引けを取らない、
というか勝るかもしれない

 

けれど、規模が小さいのと、採光が少ないので
少しだけ、暗くて落ち着いた雰囲気
まあこれはこれで、ね

 

それから、面白かったのは、
壁の装飾がシノワズリの影響をふんだんに受けていたこと
(そうか、建設は18世紀だもんね)
それから、虫などから本を守るために
コウモリが飼われていること、
そしてこの方法は比較的ヨーロッパではよく使われていること(!)

 

やはり一度は訪れてよかった
次訪問するのは多分、プラハの図書館になるだろう
やっぱり本に関するものは、なんでも好きだな

 

 

 

宿に戻って荷物をとって、
なんとかバスターミナルに戻り、
最後の、そして一番大事な目的地、
旅の終着点、ポルト

 

コインブラでは干物のように干からびていて、
もう一歩も動けないと思ったのに、
バスで考え事をしていたのと、
ポルトについてしまったことで、
どこかへいこうか、なんて気を起こしてしまう

 

けれど、どう考えても無茶なので、自粛、笑

 

宿に着くまでの道のりですでに、
リスボンに似ているのに、こちらの方が好きになる予感
まあ、フィルターはあるのだと思うけれども
やっぱり好きになるのはいつも、“一番”ではないのよね

 

ホステルに着くと、
二段ベットの下の段であることに歓喜するとともに、
同じ部屋の人たちが、最高にいい人たちで
ようやく、ちゃんとホステルを楽しめている、という感じ

 

とにもかくにも最高のスタートが切れたので、
今日はしっかり、眠りにつこう