バンドのライブなんて、もう長らく行ってなくて、どのバンドでもなんとなく踏み出せずにいたところ、
奇跡のようなツーマンが実演されることを聞いて、気づけばチケットを手にしていた
ライブハウスなんか入ったことないし
勝手がわからなくておどおど
入場順に前に入れることも知らなくて、
ただでさえ背が低いのに、前が全く見えない
やれやれと思っているうちに開演
いきなりスペゲのラブサマちゃんが出てきて、最初は全く見えなくて入り込めず、どうしたものかと思っていたけれど、
“心ない人”のイントロが鳴った瞬間、涙がきゅっと込み上げた
生の音、生の声
いつも聴いてるはずの歌詞、メロディなのに
それがこんなにも、心を落ち着かなくさせる
涙の原因とか、歌詞の意味とか、
特によく聴いていた時代のこととか
全部が、文脈なく、パノラマのように、ひっきりなしに
それでラブサマちゃんの一番好きな曲が“Falling”だっていうから、
完全一致していることに、本当はびっくりすべきかもしれないけれど、内心当然な気もしていて
だって、ブリグリを通ってきた方だもんね
ライブ映えする音ってたくさんあるんだなぁ
イヤホンから流れてきていたときは聴き流していた音も、一々ほおっておけない
そうして惜しまれながら、主催の揺らぎのターンに
レコードリリースのイベントだったから、基本的には“Here I stand” の曲中心にやるのかなと思っていたけど、
はじまりから“B/C”で、たぶん、ちゃんとおぼえてないけど、たぶん、揺らぎの中で最初に聴いた音で
だいぶ前の曲だから、まさかこのタイミングで生で浴びられるとは思っていなかった
揺らぎのサウンドは、私たちの感覚を、耳から、こことは切り離された何処かへ、一瞬で連れ去っていく
エフェクトがすごくかかっているから人工的なサウンドのはずなのに、太古からある自然を想起させる
だから森林浴とか、海水浴とかに近いような、“浴びる”という表現が、私の感覚には忠実な表現
目を閉じて、委ねて、そうして生命としての私たちの故郷へと導かれていく感覚
ラブサマちゃんが推してくれたとはいえ、
中盤以降からは今日は “Falling” はないかな、
と諦めていたのに、
「ラブサマちゃんが推してくれたから…」
とまさかのアンコールで追加してくれたの、奇跡でしかなくて、ほんとにさぁ
私はそんなに徳を積んだ覚えはないから、
きっと私と同じように願っていた徳の高い人があそこにはいたのでしょう
欲を言えば、“Underneath it all” を生で聴いてみたかったけど、
いつか聴ける機会はあるかしらね