あまだれのごとく

時々迷い込む後悔の森

4.8.2019

 

 

 

友人と母親から離れて手荷物検査場に向かったときは、
忙しなくてやけにあっさりと離れてしまったのに、
階上から手を振る母親の姿が見切れた瞬間、
ひゅん、と心臓の位置が下がるような心地がした

 

それから飛行機に乗るまでが、一番落ち着かなかったような気がする
見送りに来れなくなってしまったという友人と電話しながらも、
はやる気持ちが、抑えられない

 

それは思ったよりも中に入るのが遅れてしまったことも、
出すべきドイツ語の課題が全然終わっていなかったことも、
関係あるだろうけれども

 

何か忘れていないだろうか、
本当に大丈夫なんだろうか、
こんなことをしている場合なんだろうか、という
焦りが身体中を震わせていた

 

ギリギリまで、友人から飛ばされているメッセージに返信したけれど、
どこかツルッとした、味気ない文章になっていないか心配だった

 

そんなことを思いながら搭乗し、
まずはドイツ語の課題を死ぬ気で終わらせる

 

6時間半のフライトの半分もあれば終わるだろう、
とたかをくくっていたにもかかわらず、
終わったのは、まさにタイに降り立つ直前

 

別にドイツに着いてからでも期限には間に合うのだけれど、
次のフライトでは、時差ボケ防止のためにも、極力寝ることに集中したかった

 

また2時間程度のブランクに、
メールを打ち、課題を提出し、メッセージを返していく
でも、メガネを忘れて視界がぼやけていたこともあり、
全く日本を出たんだという現実味が、ない

 

次のフライトで隣に座った男性は、
2mはあろうかという体躯に、腕にびっしり刺青を入れた、
強面のドイツ人だった

 

なのに、私が少しくしゃみをしただけで、
「毛布かけなさい」というようなジェスチャーで、
毛布をチョンチョンしてくれたり、
トイレに行った際にわざわざティッシュを取ってきてくれたり、
めちゃくちゃ至れり尽くせり

 

まあでも実は、乗ってきた時点で、
そういう人なんじゃないかな、ってちょっと思っていたのだけれど
そろそろ私の勘も鋭くなってきたかしら

 

今思えば、童顔で小さくてすっぴんなので、
小学生くらいに思われていたのかもしれないけれど
(でもビールは飲んだ)

 

何はともあれ、無事フランクフルトには着いて、
そこから鉄道で5時間かけて、ベルリンへ
(思えばその時に隣だったおばさまもすごぶる感じが良かった)

 

そして同居人のおばさまに出会う
予想通り、本当にいい人で、
私のテンポで話しを続けてくれるし、ちゃんと反応もくれる
けれど、それでも最初は全然喋れなくて、
(というか今も全然だけれど)
一瞬、落ち込んだ

 

けれど、一人でスーパーマーケットに向かいながら、
「それでも、頑張るしかないんだ」
と逆に燃えてきた

 

今まで、集中度が足りなかったんだな、多分
だから何も聞こえないし、喋れないんだ

 

というわけで、もうここからは絶対に妥協しない、
コースについていけるかな、とか思っている場合じゃない、
この一ヶ月間で、日常会話くらいはモノにしよう、
それが早ければ早いほど、楽しい留学になるに違いない

 

私のいいところの一つは、
どんなに落ち込んでも立ち直りが早い所だと思う

 

そして今まで大体長く落ち込んできたのは、
別種の不幸が重なった時、特に家族の問題だ

 

今は、良くも悪くも家族から切り離されていて、
この国のことだけに、集中すれば良いのだから、
ある意味、今までよりも簡単なのかもしれない

 

そう思うと、無限に力が湧いてくる気がする

 

とはいえ、断続的な睡眠とキツイ姿勢、
28kgもの荷物を引きずり続けたせいで、体力は限界

 

明日は、少し遅めで大丈夫なので、
今日はゆっくり、寝ることにしよう

 

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これは、20:50の窓の外の様子

 

ドイツの夏は、陽が長い
わかっちゃいたし、もうこれは4度目のはずなのだけれど、
やっぱり感覚的な違和感が残るな