あまだれのごとく

時々迷い込む後悔の森

22.10.2019

 

 

 

日曜の夜、
旅行から帰ってきて、部屋がぐちゃぐちゃのまま
月曜は慌てて学校へ向かう

 

 

 

プラハ旅行は、2泊3日もあったにも関わらず、
観光名所の外観だけチラチラ見て、適当に散歩して、
美味しいものだけ楽しんで、皆で喋る

 

個人で旅行に出かけるときは、
信じられないほど詰め詰めのスケジュールを立てて、
全てを網羅したがるタイプだから、
こんな旅ははじめてだな、と思ったけれど

 

よくよく後から考えてみたら、
修学旅行がまるでこんな感じだったな、と

 

結局、プラハの秋と皆との絡みを楽しむだけの旅で、
でもそれが全目的だったのだから、問題なんてない

 

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ただ、宿に着いたのが、
1日目の夜は午前2時、2日目の夜は午前4時、と
だいぶぶっ飛んでいて
というか何をしているわけでもないのに
こんな遅くなっているの、面白すぎるな

 

2日目の夜は知らない人(友達のいとこの家)に皆で集まって、
人狼を始めたのだけれど、
ここに集まっているのは、
チェコスロバキア、フランス、スイス、スペイン、日本、韓国と
本当に多様なルーツを持つ人たち

 

まず各国で呼び名が違う上に、ルールも若干違っていて、
ルールの確認だけで何十分と要した

 

挙句、
アジア圏とヨーロッパ圏では、
「役職を自己開示して良い・してはいけない」
という猛烈な差があったために、議論が白熱

 

最終的に"Wir alle haben Freiheit!! (俺たち全員には自由がある!!)"
的な議論に展開していて、もうめちゃくちゃだったけど、
笑うしかなかったな

 

 

 

でも、前も話したかもしれないけれど、
一人、ドイツ語を始めたての子がいるので、
その子のために、時々会話が英語になってしまう

 

私(日本人?)以外の全員は英語に堪能、
少なくとも普通に会話を進める分には問題がない
けれど、そういう時だけ私はついていけなくなってしまう

 

皆の言っていることは8割分かるし、
正直リスニングは前よりもマシになっているような気がする

 

それでも、喋るスイッチの切り替えは、全然上手くいかなくて、
大体皆が同じ言語で20分近く話してくれていれば、
私も多少は話し始められるようになるのだけれど
細かく切り替えられると、もうだめ

 

というか、ここにいる人たちは、
ドイツ語はまだ完璧でない人もいるとはいえ、
殆どの人がトリリンガル以上になるわけで

 

何だかなぁ
中高時代は、トリリンガルなんて雲の上の存在だったけれど
こっちでは、当たり前なんだろうなぁ、なんて

 

楽しかったけれど、
色々自分の課題も見えた旅行だったな

 

 

 

月曜日、5限からだと思っていたTutoriumが4限からだったことに気づいて、
慌てて洗濯物を干して、学校へ

 

けれど、教室の場所がいまいち分からず、
どうしようかなと思っていると、前方に同じ教室を探している人がいたので、
声をかけて、一緒に行くことにした、のだけれど

 

いざその教室に入ってみると、誰もいない
そこでよく要項を読み返すと、それが開催されるのは来週からだった

 

あーあ、時間もったいなかったかなぁ、なんて思いながらも
どうせ家にいてもダラダラしてしまうだけだったし

 

パソコンを開いて、次の語学の教室の場所を確認する
すると、実はドイツ語以外の言語のポイントがまだ残っていることに気づいて、
興味本位で他のコースを覗くと、何とフィンランド語が1コマで開催されている

 

しかも時間割的にも都合の良い、火曜4限で、まだ始まっていない
これはチャンス、とばかりに、
5分で申し込みを決めた

 

文法書や辞書は置いてきてしまったけれど、
送ってもらえるだろうし
何より、ただで3時間のレッスンが毎週受けられて、
ドイツ人の知り合いも増えるかもしれない

 

早速教科書を買いに行ったら、
まあ安くはなかったのだけれど、こんなもんよね

 

そしてその時に中世学で必要な
ニーベルンゲンの歌”のReclamも買ったのだけれど
それが嘘みたいに分厚くて、思わず手に取るのを躊躇した

 

といっても、読むしかないのだけれど!
これは授業中、というよりも、各自で勝手に読む課題で、
対訳が付いているとはいえ、読み切れるのか
でも試験に出るらしい、一体全体、どんな形式の試験なのだろう

 

そしてビビリにビビっていたC1のドイツ語の授業
一人知り合いを見つけて、少しだけ安心するのもつかの間、
先生が無表情過ぎてめちゃくちゃビビったのだけれど、
彼女はただ無表情なだけで、
人の話をめちゃくちゃよく聞いてくれているし、
とてもいい人だというのは伝わってきて、一安心
火曜のC1のクラスも同じ先生だったから、
喜びもひとしお

 

 

 

次の日、怠い体を引きずりながら、
どうにか2限の聴講に足を運び、
終わったタイミングで友達から連絡が来ていたので、
メンザで一緒に昼を食べることに

 

そこで4限が空いている、というので、
試しにフィンランド語に誘ったら、彼女も付いて来た

 

クラスはやはりドイツ人だらけで、
そうでなくても皆ドイツ語はもちろんペラペラの状態
けれど、フィンランド人の先生のドイツ語は聞き取れるし
まあ、問題ないはず

 

クラスの雰囲気も良く、先生も優しげ
そして憧れのフィンランド
嬉し過ぎて、ニヤけが止まらなかったよ

 

そしてその後、中世学の文法の講義
どんなもんか、と緊張していたけれど、
今回は発音の説明と、文章の現代高ドイツ語訳

 

当然、私には半分くらいしか理解できなかったけれど、
思っていたよりも、なんとかなりそう、という印象
先生にもう一度参加証明について聞きに行くと、
“僕は君がいるのを目で確かめているから大丈夫だよ”
と言われて一安心

 

まあ、他にアジア系の顔立ちの人いないもんなぁ、このクラス
たまにはこのことにも感謝すべきなのかもしれない、
などと思う

 

睡魔に襲われながら、原稿をちまちま進めて、
一番不安要素が強いドイツ語のC1のコミュニケーションへ

 

平たくいえば
月曜がライティング、火曜がスピーキングなのだけれど
正直、思っていたよりもなんとかフォローできそうな感じはした

 

ただ、この数日間でよりくっきりと浮かび上がった私の問題は、
読む、書く、(話す)能力に比べて、
圧倒的に“聴けてない”ということ

 

多分、もっと耳が良ければ、聞き取りができれば、
会話でもこんなに苦労しないし、
焦ることもなくて、適当なことを言わなくて済む

 

やっぱりネットフリックスを早急に始めるべきだな、これは
けれど、いつになったらそんな時間が生まれるんだろう
考えものだな、本当に

 

 

 

 

 

3.10.2019

 

 

 

今日は留学生の子達と、マイセンへ

 

マイセンまでは電車で30分
おまけにザクセン州の大学に通っている学生は、
Semesterticketを提示すれば、
ドレスデン市内の交通と、ザクセン州内の鉄道は乗り放題となる

 

11:30と遅めの集合時間だったけれど、
ツアーが間も無く始まるということで、
まずはマイセンの陶器博物館で

 

このツアーでは
実際に工房を訪れて、
陶器の製作過程を実際に実演しながら、解説を聞くことができる

 

まあ、簡単の息しか漏れない
皿はともかくとして、
陶器の置物の細やかな一つ一つのパーツをくっつける作業
これも専門職として分業されているのだけれど、
職業訓練を終えるまでに、4年もかかるらしい

 

そしてとてつもなく細かい作業を、
彼らは一日中続けているわけで
しかも、100%の集中力を持って
想像しただけで、気が遠くなる

 

ツアーが終わった後は、博物館内の展示を見て回る
改めてみると、マイセンで生産されている絵柄の一つ一つ、
それらの意味や歴史を知るのは、中々面白い

 

そしてそれと同じ柄のものが、
今度はショップで手に取れるし買えるというのが、
とても不思議な感じ

 

まあお値段は、また気の遠くなるような金額なのだけれど
あの技術を見てしまうと、もう文句のつけどころがないよね

 

 

 

博物館を出たのは、すでに2時過ぎで
もう皆んな、とうに腹ペコ
しかし、今日はあいにく10月3日で、
それはドイツで最も重要な日である、ドイツ統一の日
つまり祝日だから、お店が中々空いていないのだった

 

結局通りがかりのピザ屋でテイクアウトしたのだけれど、
なんと一枚5ユーロ
友人と半分こしたのだけれど、
普通に美味しいし、かなり、お腹いっぱいに
2.5ユーロにしては、充分すぎたよ

 

でもそれには飽き足らず、
広場のレストランでコーヒーを飲んで、
散々それぞれの話で盛り上がった後、
だらだら、だらだらと街中を散策した

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結局、アルブレヒト城も入ってないし
超適当な観光だったけれど、
欧州人ってこんな感じなんだな

 

私は観光、となるとセカセカ、セカセカしがちで
つまり帰ってきた時にはもうぐったりなのだけれど
(まあ勿論、日本からここまでくるのは遠すぎる、というのはある)

 

彼らはこういう点で、リフレッシュが上手いのだろう
けれど帰ってきた後に、グループに入れてもらって、
19時過ぎから
「誰か飲み行こうよ!」
とか言い始めて、21時に集合してるの(しかも殆ど全員が)
ほんと、フッ軽だわ……

 

帰ってきて、ドイツ語の勉強をしながら、
ベルリンの友人と少しチャットする

 

主に、どうしたらドイツ語もっとできるようになるかね、
という話だったのだけれど
彼女の話を聞いていると、私は改めて恵まれているんだな、と感じる

 

向こうだと、留学生は平気でペラペラ英語を喋るし、
そもそもドイツ語のレベルも高くない
だから、ドイツ語を喋る機会を見つけるのが難しいらしい

 

私の場合、自分が英語を全然喋れない、というのもあるけれど
それでも隣人はドイツ語の上達に対して意欲的で、
基本的にドイツ語で話しかけてきてくれるし
他のフラット内のメンバーもドイツ語しか喋らないし
今日参加したグループも、
皆んな英語は流暢、でもドイツ語で話す気満々だし

 

おかげで、
毎日毎日、早く、もっと喋れるように
そういう意気込みが、繰り返し形成され続ける

 

いい環境を手にしているのだから、
後はそれを、どう生かすのか次第、だよな

 

19.9.2019

 

 

 

昨日から、ドレスデンに戻っている

 

夜が明ける前に、ポルトを出発

昨日、海の向こうから押し寄せていた深い霧が

街を埋めつくしていた

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その様子があまりに幻のようで

シャッターを切ったりしているうちに、

電車に滑り込み

 

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人の気配のないサン・ベントの駅は、

恐ろしく荘厳で、うつくしかった、けれども

 

 

 

なんとか無事に目的の鉄道に乗り込み、3時間

リスボンの空港に降り立つと

相変わらずの晴天が広がっていて

ここのの青色は、何処までも続くのだな

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そうして、ケルンで乗り継いで、

夜遅くにドレスデン空港に着く

 

 

 

“家に帰る”

そうはいっても、たった一日寝泊まりしただけの、

あのがらんどうの部屋

ほかの旅先で過ごした時間の方がよっぽど長くて

正直、帰っても家だなんて思えるのかな、そう思っていたけど

 

やっぱり、それでも

見慣れたものが乱雑に置かれているだけでも

安心感が、段違い

 

ここで10ヶ月暮らしていくのだな

案外悪くないかも

そう思いながら、眠りについた

 

 

 

翌日、目覚ましをかけずとも目覚めたのは7時

けれど、予想以上に冷え込む朝方に、

まだベッドに潜り込んでいたい気持ちが勝って、

1時間、うとうと

 

それから真っ先にインターネットを手に入れにスーパーへ

昨日の夜、全くスマホをいじれなかったのは

本当に違和感がすごかったな

 

適当なカットソーに袖を通して出てきたのだけれど、

これが予想以上に、寒い

周りを見渡してみると、既にダウンを着ている人もちらほら

縮こまりながら、早足で並木通りを抜ける

 

悪戦苦闘しながらも、2時間後にはどうにかネットを手に入れ

帰ってきて、まずはご飯

 

それから、買い込んだ掃除道具を駆使して

裸足で歩ける床づくりを始めた

 

やはり、掃除してあるとはいえ、

予想以上に床は汚くて、

最初に乾拭き、それからシートで拭きまくり、

また最後に仕上げの乾拭き

 

だとしても、2時間も掛からずに終わる

砂だらけなのを掃出すよりも、きっとこっちの方が楽に違いないと思ったし、

何よりホーム感がましましに

やはり部屋はこうでなくっちゃね

 

そして細々したことを終わらせて、

同じ大学に留学する友達と、夜ご飯へ

 

少し歩いたところにあったスペイン料理屋に入ったのだけれど

これがまた、なかなか良かったので、また来ようね、と

 

話した内容は有意義で、予想外の収穫もあったし

日本人ばかりと関わるのは良くないけど、

いざと言う時の命綱は、やっぱりあった方がいいと思う

 

帰り、川沿いから眺める夜のドレスデン

あまりに美しくて、二人して驚いた

 

私が住む地区は旧市街なのだけれど、彼女は違う

「私も旧市街に住めばよかったなぁ」

とこぼす彼女に、

「私だって、トラムをおりてわざわざここに来るかは分からないけどね」

と返す

 

けれど、きっと何度でもくるんだろうな

何度でもこの贅沢を、目に焼き付けたい

帰り道も信じられないほど治安が良くて

(ベルリンに毒されているのかな、まだ)

何だか安心できる街だ、と思った

 

それから、今日気づいたのは、

ドレスデンの鐘の、澄んだ響き

 

これまでいくつもの都市を回って、

いくつもの音を聴いてきたけど、

ドレスデンの鐘の音は、

特別、心が洗われるような

 

それだけで、ここを選んで良かったと

強く思えるよ

17.9.2019

 

 

 

ポルトの青は特別だ、
その言葉を聞いて、計画を始めた旅だった

 

なのに、最終日の今日に限って、
それが見られないなんて

 

昨日からポルト市内を観光し始めたけれど、
いい意味でリスボンよりもコンパクトで、
見たいところはすぐに見尽くせる街だった

 

それから今日は、いよいよ海へ

 

晴れたり曇ったり、不安定な天気だったけど、
時折晴れ間も見えたから、
なんとかなるんじゃないか、って思った自分が甘かった

 

バスから海辺が見えた瞬間、
信じ難くて、思わず目を背ける

 

そこには、真っ白な景色が広がる
一面の霧と、波の打ち寄せる音

 

私が期待していたのは、こんな景色ではない

 

呆然と、その景色を見渡した後、
美味しいものでも食べよう、と立ち上がった瞬間、
午前中に、信じられない勢いで一目惚れして買ったプレートを、
一瞬で、割ってしまって

 

もう、本当に
霧に覆われた海辺で、一人涙を流した
何がいけなかったんだろう
どうして、こうなってしまったんだろう

 

全て、偶然の所業であると思えれば、どんなによかっただろう
ブランド名で検索しても一切出てこないし、
その後街中で探しても、現物はおろか、ブランドさえ見つからない

 

購入した雑貨屋さんでは、ラストワンと言われた後だった
他にもたくさん、ポルトガルで作られた美しい食器は見たけれど、
何もかもが、色褪せて見える

 

それほどに、うつくしかったの、本当に

 

 

 

取り返しのつかないことししてしまった、
私が全て、めちゃくちゃにしてしまった

 

この二つの出来事は
世界にとっては瑣末でどうでもいいことでも、
私にとっては、せかいが反転して見えるくらい、一大事だった

 

旅の終着地にして、最大の目的でもあったポルト
まさか、こんな結末で終わるなんて

 

正直、数日は落ち込んだままなんじゃないかな、と思いつつ
でも、ものはいつか壊れてしまうし、
落ち込んでばかりもいられないのが現実

 

タパスとワインをつまみながら、友人とチャット
ふわり、と酔狂に悲しみを飛ばしつつ
これでいいのかな、これでいいんだよ、と自分に言い聞かせる

 

半日駆けずりまわったおかげで、ポルトガルの陶器ブランドには詳しくなった
あの陶器にも、ご縁さえあれば、きっと辿り着ける

 

そう、全ては縁を中心に、まわっているのだから

 

15.9.2019

 

 

 

昨日は、本当に
不幸と幸福はよりあわせなのだな、と痛感した日

 

いざ、リスボンを出立して、
オビドスという街へバスで行こうとしてたのだけれど、
前日のシントラへの強行軍で疲れが溜まっていたのか、
出立時間の計算をミスってしまい、
バスを逃してしまった

 

すると、オビドスへ滞在できる時間がもはやないことに気づく
その後はナザレという街を訪れる予定
けれど、どうせバスターミナルは同じだろうし、と
当該ターミナルに地下鉄で行った

 

けれど、探しても探しても、どこでチケットを買えばいいのか分からない上に、
それらしきカウンターは、土曜日だからか閉まっている

 

挙句、どこでバスが発着するのかも、
誰に聞けば良いのかも分からず、
しかも、インターネットが全然拾えない

 

この時点でパニック状態だった、
こんなに重い荷物を背負って一人、
今夜滞在予定のコインブラに辿り着けなかったら、どうしよう

 

ようやく電波を一瞬拾えて、ナザレへの行き方を調べると、
なんと違うバスターミナルからしか直行便が出ていないという事実に直面

 

片道無駄にした、と慌ててチケットをまた買ったのだけれど、
動揺していたのか、有効化が終わらないうちに引き抜いてしまい
また払い直す羽目に

 

今思えば大したこのではないのだけれど、
いかんせん動揺していたので、こんなことで泣きそうになる

 

けれど、明らかに自分の精神状態が悪いままだと
また余計なことを引き起こすのは分かっていたから、
乗り換え駅で、またパステル・ド・ナタを一つ買って、
ボリボリ食べて、落ち着かせる

 

朝から何も胃に入れていなかった上、
こういう時は、やはり糖分頼み

 

無事ターミナルのある駅に着くと、
ここにはしっかりとしたバスターミナルが建っていて

 

もう、最初からこうすればよかった、とさえ思う
結局12時発のチケットを抑えて、
1時間半ほど、カフェオレを飲みながら待つ
快適ではないけれど、インターネットが入っていたので、
人へのメッセージを返したりしながら

 

 

 

そしてバスで2時間揺られて、
待ち望んでいた、ナザレへ

 

リスボンからポルトにかけて続く、コスタ・デ・プラタ
日本語に訳すと“銀の海岸”を意味するこの海岸線上には
数々の美しいビーチが存在する

 

美しい砂浜だけでなく、
独特の文化も残っているナザレは
そんな中でも、ヨーロッパ中から人を集める、リゾート地

 

朝から、本当にしんどい思いをしたし、
強い日差しと暑さの中、全荷物を背負って観光しなければならなかった

 

 

けれど、もうこの美しい景色を目に入れられたのだから、
なんだっていい

 

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2時間もいられないというわずかな時間だったけれど、
景色を堪能するには、これで十分

 

 

 

それからコインブラ行きのバスにまた乗ったのだけれど、
途中、雨が降り始めて、
予報を見ると、確かに今日のコインブラは雨

 

まあ、今日はもう観光はしないし、いいか、と思っていたら
私がついた頃には既に雨は上がっていた
晴れ女、おそるべし

着いたはいいものの、
Google mapで検索しても
地元の交通網が出てこない

 

やれやれと仕方なく、宿の場所と貼ってあった路線図を見比べて、
それっぽいバスに乗ることにしたのだけれど、
これが大正解だった上に、首尾よく最寄りで降りることに成功した

 

こんな奇跡あっていいの、と思いながら、宿に着くと
4人部屋だったのだけれど、オフシーズンのせいか
他に宿泊者の影もなく、独り占め

 

正直、いろんな理由で昨日までのホステルは快適ではなかった
(ホステルのせいではない)
ので、ほっと一息、いや歓喜した

 

そしてさっさと荷物を置いて
夜ご飯の場所を探す

 

実は、例のナタと大きなジェラート以外、
朝から何も食べていなかった

 

するとさっき通った道にあったカフェらしきお店が、
評価が高めだったし、郷土料理を出しているということで
もうなんでもいいや、と足を運ぶ

 

すると、食べ物も飲み物も安くてびっくり
やっぱり量が多いとはいえ、多少高かったのは
リズボン価格だったからなんだな
(これはシントラでも思った)

 

そして一押しを注文して待っていると、
続々と地元の人らしき人々が集まってくる

 

食事は、量は多いし、相変わらず少し塩気が強いけれど、
とても美味しい、
(特に、無駄にポテトフライが最高だった)

 

そして退席することには、満席になっていて
ちょうど良い時間帯に入ったのだな、とも思う

 

 

 

翌朝、ゆるゆると起き出す
なんと今日は朝食付きで、それが八時半からだったので、
それまでダラダラと荷詰め(と言っても一泊だし、大した手間ではない)

 

快くバックを預かってくれたので、
チェックアウト後、コインブラ観光を始める

 

 

 

歩き始めた瞬間、
「あ、リスボンより好きかも」と思う
それは朝だったおかげで人通りが少ないのもあったけれど

 

ここは大学都市として有名なのだけれど、
観光名所の通りなどでは、そんなに英語が通じる雰囲気でもない
かといって小さすぎず、適度なローカル感が心地よい

 

一つ教会を覗くと、ミサが開かれていて、
そうか、そういえば今日は日曜日だったな、と思い出す

 

まずは川を渡って、対岸のサンタ・クララ地区へ
同じ名前を持つ修道院を、二つ訪れる

 

片方は、教会が現在も使われているけれど、
もう片方は完全に、廃墟状態
というのも、度重なる洪水のおかげで、
丘の方に新しく建て直された

 

だから、新サンタ・クララ修道院は高い丘の上にあるのだけれど、
今日は死ぬほど暑い上に、前日の雨のおかげで蒸し暑い
綺麗に晴れていたけれど、
歩いて急坂を登るには厳しい天気

 

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登りきった頃には汗でぐっしょり
不敬ながら教会内であおいで乾かす他なかった

 

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旧い方のサンタ・クララ修道院は、
資料館とともに、発掘された修道院跡が公開されている

 

何もない、のだけれど
この静謐な美しさといったら

 

 

 

それから大学のある方の地区へ戻り、
いざ、コインブラ大学へ

 

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最古の大学に数えられるこの大学
建物自体も美しく、世界遺産にも登録されているくらいなのだけれど、
目玉はなんといっても、
王の命によって建設された、
精緻を極める装飾で彩られているジョアニナ図書館

 

私もこれを目的としてきたのだけれど、
ここで問題が

 

実は人気のあまり人数制限があるらしく、
私が入れる回は16時だった

 

当初15:30のバスでコインブラを出ようとしていた私には
誤算すぎたし、順番間違えたな、と思ったけれど
コインブラのことが気に入っていたし、
これを逃す他はない
長く滞在できる理由になるのをいいことに、チケットを買ってしまう

 

それから他の部分を見学して、
ゆったりと昼を食べて
再び急坂を登って訪れる

 

さて、コインブラで少なくとも私は、
日本人を一人も見かけなかった

 

けれど、なぜか説明には中国語はないのに、日本語が
変だな、と思っていると
何やらコインブラ大学と日本は深い結びつきがあるよう
日本についての文献が集められていたのも実はここだし、
天正少年使節団もここを訪れたのだという

 

そういえば、日本に最初にやってきた欧州人って
ポルトガル人だったね

 

そんな展示を見た後、お待ちかねの図書館
写真撮影は禁じられていたから、
ここにあげるものはないのだけれど
とにかく、壮麗

 

豪華さではウィーンの国立図書館に引けを取らない、
というか勝るかもしれない

 

けれど、規模が小さいのと、採光が少ないので
少しだけ、暗くて落ち着いた雰囲気
まあこれはこれで、ね

 

それから、面白かったのは、
壁の装飾がシノワズリの影響をふんだんに受けていたこと
(そうか、建設は18世紀だもんね)
それから、虫などから本を守るために
コウモリが飼われていること、
そしてこの方法は比較的ヨーロッパではよく使われていること(!)

 

やはり一度は訪れてよかった
次訪問するのは多分、プラハの図書館になるだろう
やっぱり本に関するものは、なんでも好きだな

 

 

 

宿に戻って荷物をとって、
なんとかバスターミナルに戻り、
最後の、そして一番大事な目的地、
旅の終着点、ポルト

 

コインブラでは干物のように干からびていて、
もう一歩も動けないと思ったのに、
バスで考え事をしていたのと、
ポルトについてしまったことで、
どこかへいこうか、なんて気を起こしてしまう

 

けれど、どう考えても無茶なので、自粛、笑

 

宿に着くまでの道のりですでに、
リスボンに似ているのに、こちらの方が好きになる予感
まあ、フィルターはあるのだと思うけれども
やっぱり好きになるのはいつも、“一番”ではないのよね

 

ホステルに着くと、
二段ベットの下の段であることに歓喜するとともに、
同じ部屋の人たちが、最高にいい人たちで
ようやく、ちゃんとホステルを楽しめている、という感じ

 

とにもかくにも最高のスタートが切れたので、
今日はしっかり、眠りにつこう