あまだれのごとく

時々迷い込む後悔の森

13.9.2019

 

 

 

今日はリスボン滞在最後の日
市内だけでも見そびれたところがあり、
後ろ髪を引かれる思いを抱えながら、シントラへ

 

 

 

シントラは、リスボンから列車で40分の都市
ここには豊かな自然と共に、
数々、そして様々な城や宮殿が密集している

 

世界遺産にも指定されていて
かの有名なバイロン卿も「エデンの園」と讃えたのだとか

 

さて、私が今回最初に見たのは、ペーナ宮殿
ここはマリア2世の夫、フェルナンド2世が建てたロマン主義の宮殿

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遠くからでも目を引く、赤と黄の奇抜な色彩
これはロマン主義に傾倒した彼の趣味を反映しているのだという
こんな話、どこかで聞いたぞ、と調べると
やはり、と言ってはなんだけれど
彼はノイシュバンシュタイン城を建てた
ルートヴィッヒ2世の従兄弟に当たるのだという

 

いやはや、血は争えないね

 

 

 

それから急ぎ足で、ムーア人の城跡へ

 

実は、今日の観光は時間との勝負
少しでも選択を間違えると、全て回るのが難しくなってしまう
そもそも、私は朝にコンタクトを入れ忘れるというドジをやらかした
結果的には列車を一本見送ったのだけれど、
そもそも駅には大行列ができていたので、結果オーライ的な結末
けれど1時間近くロスをしてしまったことには変わりない

 

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ここは、廃墟好き、それから城好きにはたまらない空間
けれど、実は昨日エレベーターに登ったあたりから
気づいたことなのだけれど、
私、最近高所恐怖症気味かもしれない、笑

 

そんなわけで、震えながらそれでも写真には収めたわけですが
この険しさと、荘厳さよ

 

絶対、建設に携わった人は怖かっただろうな、
というか死人は出ているだろうな、などと縁起でもないことを思った

 

それから、シントラ宮殿へ向かうバスで、
日本人の女性と偶然知り合う

 

彼女はポルトから巡っているらしかった
8月にマルタで短期留学をしていて、
その足でバックパッカーで欧州を巡っているのだとか

 

ポルトは、明後日訪れる
そして今回の旅の最大の目的地の一つでもあるし、
マルタ留学は、私が密かに考えていたことで

 

私がリスボンの情報を提供する代わりに、
それらのことについて聞けて、
いい情報交換になった
旅のご縁ってあるものだな

 

結局私は入場料の高さに目を剥いて、
シントラ宮殿よりも、お昼ご飯を取ってしまった、笑

 

 

 

それからレガレイア宮殿へ

 

ここはドラクエのお城みたいだ、と話題のところなのだけれど、
調べてみると、
古い貴族の館を、20世紀初頭、
イタリア人の建築家が改装したものなのだという

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実際訪れてみると、何が何だかよく分からない
見たこともないような建築だ、というのが最初の感想だった

 

ゴシック、ルネサンス、マヌエル
様々な建築様式がごった煮状態になっており、
その不可解さが、不気味さに火をつける

 

これも調べてみると、
「宇宙」を意識して作られた庭園らしく

 

ただもうこれを回っていた時には、
かなり疲れていたのと、お腹がいっぱいすぎたのとで、
全体をさらう程度になってしまい
イマイチ深いところまでは観察できなかった、というのが正直なところ
悔しいけど、まあ仕方ないね

 

ここからバスの旅が始まる
シントラ駅まで戻って、バスを待ち、
ヨーロッパ最西端のロカ岬へ

 

 

 

最初、バスを降りた時、
大きな青い膜が、大地の向こうを覆っている
本当にそういう風に見えた


穏やかで、無音で、
海風だけが、びゅう、と吹き上げていた

 

だけれど、崖の近くまで行って、海を覗き込む
その瞬間に、激しい潮騒が耳に届く
永遠に寄せては白く打ち砕かれる波

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眺めていると
もう今まで城を見てきたことも、疲れも、暑さも
全て、どうでもよくなってしまった

 

 

 

そんな時間も長くは続かず、
30分強でバスに乗り込み、カスカイスへ
他の人々は、そのまま駅に向かってしまったのだけれど、
それに驚きながら私は
リゾート地として有名な渚を眺めに、少しだけ歩いた

 

先ほどのロカ岬の海上とは対照的に、
たくさんのヨットがひしめき並ぶ
その前の砂浜で、夕暮れまでゆっくりしていた人が、
穏やかに時間を過ごしている
そしてカモメはまた、自由に舞う

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水に入るのは、そこまで好きではないけれど、
水辺を眺めるのは、本当に好きだ
プランしていた時には、こんなに水辺を訪れる予定ではなかったのだけれど
不思議なことだね、本当に

 

12.9.2019

 

 

 

この二日間、ひたすらリスボンの街を歩いた
にも関わらず、目に入れられなかった場所が、多すぎて

 

 

 

10日の晩、とても怖い思いをした

 

空港ではwifiが使えるだろうとたかをくくって、
宿については一度経路を調べたのみで、
スクリーンショットなどを撮り忘れていた

 

そしたら何とリスボン空港のwifiが弱すぎて、
googlemapが読み込めないという大惨事

 

とにかくRossio広場の近くだということは覚えていたし、
乗り換え駅の名前もうっすら覚えていたので、
不安にかられながら、ひたすらそこを目指す

 

この時点で、時刻は22時を回ろうとしていた

 

そして地下鉄で電波を拾おうとしても、
電話番号がないとダメらしく、弾かれる

 

そして目的地の駅に降り立ったはいいけど、
誰に聞いたらいいものか、もう分からなくて、ウロウロ

 

広場に出ても、人は閑散としていて、
どう考えても旅行者の出で立ちの私がフラフラするのは得策ではなかった

泣きそうになりながら、ふと
マクドナルドの明るい看板を目にする
必死に駆け寄り、携帯を開くと、
案の定freewifiが飛んでいて
ようやく私は、宿の場所を知って、心の底から安堵した

 

 

 

翌日はリスボン郊外の、ベレン地区へ
といっても40分程度で着けてしまうここには、
世界遺産に登録された
ジェロニモ修道院と、ベレンの塔がある

 

リスボンについては本当にふわっとしか調べていなくて、
でも時間的にここに最初に行くのがいいだろうと
半ば適当に訪れたけれど
入った瞬間、息を呑む他ない

 

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大航海時代、香辛料貿易によって成した富で建築が始まった
この荘厳なゴシック様式修道院

 

ゴシック様式でも、白が基調だと
こんなにも洗われた景色が広がるのか
勿論、ケルン大聖堂とかも好きだけど
これはやはり、突出していた

 

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ポルトガルの空は、
地平線に近づくほど淡くなって、
陽に近づくほど、深い青色が広がる

 

だから、空がとても高く見える
雲ひとつない、抜けるような青空に
終わりはないのだと、そう確信させる

 

 

 

中心部に帰ってきて、海辺を歩いていると
カモメが波際で戯れている

 

水上で羽を休めている時は、ふよふよと揺られているだけなのに、
いざ羽ばたくと
しまわれていた時は想像もできなかったような大きな翼で、
優雅に波風の狭間をゆく

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そして、ずっと歩いていて、ここに腰掛けて、
波打ち際を眺めていたら、
急にもう、ここを一歩も動きたくなくなってしまった
この先のことも、ずっと先のことも
考えたくない、一生ここでぼうっとしていたい
まるで潮騒に、思考能力をさらわれてしまったような

 

リスボン潮騒には、
人を惹き寄せる力と同時に、
理性や思考を奪い去る魔力がある、そんな気がした

 

なんとかコメルシオ広場まで行き、
この後も色々回った後、ホステルに戻り、
またワインを一歩に飲み干して、眠りについた

 

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そして今日も、ひたすら市内観光
本当は昨日行くべきだったベレン地区の宮殿を見に行ったり
(でも人がほとんどいなくて独占状態だったので、これはこれでアリか)
サン・ジョルジェ城を訪れたり、国立古美術館へ行ったり、
リスボン大聖堂を訪れたり

 

これは、サン・ジョルジェ城から眺めたリスボンの景色

 

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見飽きないほど、美しい



 

最高に可愛い陶器のブランドを発見してしまったのだけれど、
持ち帰れるものでピタッとハマるものがなかったので、
仕方なく、断念

 

日本から取り寄せできればいいんだけど、、

 

そして最後は、サンタ・ジュスタのエレベーターに並ぶ
けど結局これが2時間近くかかって、登った時にはもう夜の帳が降りていた

 

 

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まあ、これはこれで美しかったのだけれど、ね

 

10.9.2019

 

 

 

バルト三国の旅路は、今日の朝まででおしまい
これからはヘルシンキを経由して、西の端、ポルトガル

 

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昨日は、とにかく本当に不運な日で、
期待していた博物館の三つが、閉まっていた
二つは、臨時休館、もう一つは、リノベーション中

 

もう一周回って、また来る!と決めてしまったので、
昨日は妙な自信とともに、最古のカフェでまったりしていたり

 

ヴィリニュス、リガ、タリンと回って来て
バルト三国、なんていう風に括れるものじゃない、
括るには、あまりに鈍感な枠組みだ、と思った

 

ヴィリニュスは、旧市街は等身大に整え、
奥に新市街を作った街

 

リガは、旧市街の中にも新たなお店が増え、
市民のテリトリーと、観光地が妙に融合している

 

そしてタリンは、旧市街と新市街が完全に分離していて、
それは違う国というより、一種のテーマパークのようだ

 

多分この三都市の中でも、最も保存状態がいいのがタリン
だけれど、その魅力を存分に分かっているからこそ、
なんというか、過剰なまでの観光資源化というか
(全然批判したいわけじゃないけれど言葉が見つからない、)
それに、どの国も似て非なるバックグラウンドを抱えていて

 

一言で言い表すには、あまりに惜しい
少なくとも私には、そう感じられた

 

 

 

さて、食事としては、
昼は創作料理のお店で、
夜は旅人らしく笑、オールドハンザで中世料理を食べた

 

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中世といえば、塩気と香辛料、ハーブで味付けされた
くせの強い料理を想像していたのだけれど、
盛られた前菜はどれもめちゃくちゃ食べやすくて、びっくり
一緒に飲んだ蜂蜜黒ビールも、甘いのにしっかりとビールらしさがあって
とにかく、バルトではハズレのご飯が一つもなくて、
もう、本当に大好きだ

 

 

 

そして朝、ゆるゆると支度を済ませ、
外に出ると、ひんやりした空気が身体を撫でる

 

この感覚とも、しばらくお別れ
名残惜しい、なんて思っているうちに、
うつくしくも厳しい、死の季節がやってくるわけだし

 

北国を、出る
そう思ったとき、少しだけ怖じ気ついた自分がいる、
別に北国出身でもないくせに、たいしたもんだ

 

 

 

 

ポルトガル自体、未知の国なのだけれど、
そもそも南ヨーロッパ自体が、めちゃくちゃ久しぶり、
というか十数年も前のことなんて、何一つ覚えちゃいない

 

昨日の夜、天候を調べたら、
案の定、しばらく晴天で笑ってしまったけれど、
笑ってもいられなくて

 

気温差は、10〜15度
これが今回荷物が増えた原因でもある
全く、どうしてこんな無理な日程を組んだのかしらね、私は
バルト三国がそいつにもっと近いと思っていたからです笑)

 

そんなことを思っているうちに、空港へ着いて、
ドキドキの荷物検査でも、液体類をいくつか袋にしまえと言われただけで、
飛行機も、荷物を少し抜いて収納できればOKだったし

 

フライトは、わずか35分
あっという間に、海を越えて、スカンジナビア

 

11月以来だったけれど、多分シェンゲン・非シェンゲンで
ゲートが違うので、過ごしている場所も違うし
というか時間が短すぎて、違う国に来たという感じもしない

 

けれど、まあ物価の高さに目をひん剥く
いくら空港とはいえ!フィンランドとはいえ!
高すぎやしないですか!笑

 

けれど、機内食が付いていないことが判明したので、
もう二食分だと思えば、そんなに高くないよ、、と言い聞かせ、
久々にスパゲティを食べた

 

いや、本当に久しぶり
日本以来だと思う
てか麺類食べなさすぎて、本当に欲する時はあるね、やっぱ

 

意外と日本食は食べたくならなくて、
食べたくなるのは、中華とか、エスニックとか

 

でもよく考えると、我が家ではそこまで
和食、というものが出ていなかったからなのかも

 

 

 

話が逸れたけれども、まあ、とにかく
ポルトガルに着くのは、夜の20時半
無事、何事もなくホステルまで辿り着けることを、祈る

8.9.2019

 

 

 

このブログを始めてから、なんとも言っていることだけど、
楽しい日々を過ごしている時ほど、更新をサボってしまう

 

ラトビアは、私にとっていわば、
天国のような場所だった

 

たくさんの、こじんまりとした博物館
だけれど、その全てに、愛国心が詰まっている

 

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ヴィリニュスよりも大規模な都市で、
でも、決して大きすぎない、等身大の振る舞い

 

そして何よりも、
ご飯が何を食べたとしても、めちゃくちゃ美味しい

 

日本人、ないしは私好みの、
塩加減、香辛料、ハーブの使い方
全てがマイルドで
これはリトアニアでも思ったことなのだけれど

 

特にLIDOというお店、チェーン店のビュッフェスタイルのお店なのだけれど、
ロールキャベツといい、サラダといい、
キャセロールといい、にんじんジュースといい
もう全部美味しくて

 

それだけのために、ラトビアを離れたくなかった

 

 

 

観光面では、
「え、教会なのに5€も取られるの」とか、
「この展示量なのに取られないの」とか、
不思議な感じだった、けれど
正直、体調が良くない
(一つは生理、もう一つは飲みすぎ笑、
なんせ唯一の一人部屋だったものだから)
のもあって、たくさん歩いたけれど、割愛した部分もいくつかある

 

それでも一日2つは回っていた
けれど、英語力の無さを自覚する

 

もう少しあれば、もっとちゃんと理解できるのに
これは旅行の度に、思っていることだ

 

 

 

でも、最高にいい思い出になったのは、
リガから30分のユールマラに出かけたこと

 

正直最後まで迷った末に、ダラダラと支度を始めて、
予定よりも到着は遅れたのだけれど

  

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森を抜けて、
抜けるような青と、何もない地平線を見て、
この世の終わりを、密かに想起した

 

 

 

そして今日からエストニアの、タリン
多くの観光客が、一番良かったという理由が分かった

 

ヴィリニュスからリガ、それからタリン
本当は逆向きのルートが一般的なのだけれど、
この向きで旅行していると
段々現実に戻って行くような心地を覚える

 

勿論初めて訪れる土地に変わりはないのだけれど、
見覚えのある風景に変わって行く、移り変わり

 

 

今日は駅のトイレが閉まっていたり、
何故かマラソン大会が開かれていたり、
トラムが止まっていたり、
途中、もう何週間ぶりかの雨が降ったりと、
色々不便なことも多かったのだけれど

 

それでも、市壁を見た時には、
中世好きとしてはニヤケが止まらなかったし

 

あと一日の滞在だけれど、精一杯楽しめればいいな

 

まだまだ書きたいことはあるのだけれど、
ホステルが就寝モードなので、今日はこの辺で

 

 

 

4.9.2019

 

 

 

旅に出る前の、朝ごはん代わりのマフィンとコーヒー
何の変哲も無い、ただキヨスクで買っただけのこれらが
妙に美味しく感じられるのは、何故なのか

 

今日出かけたのは、
ヴィリニュスからバスで30分ほどのトラカイ

 

バス停からは、歩いて30分で城に着く、と聞いていたものの
あちこち道草を食っていたら、
結局着いたのは1時間以上経ってからだった

 

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市内を歩いているときは、
二倍ほどの足の長さの欧米人を追い越すほど早足なのに、
こういう風景の街並みの中では、
ありえないほど歩みが遅くなる


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今日の天気は、曇ったり、晴れたり
気まぐれな雲の動きに、私のシャッターが翻弄される

 

ガルヴェ湖の上に建てられたトラカイ城は、
14世紀ごろに外部からの侵略を防ぐために、リトアニア大公によって建てられた

 

しかし、リトアニアはその後
婚姻関係によりポーランドと同君連合し、
次第に城の重要性は失われていき、やがて退廃した

 

現在見られる城は、20世紀後半から再建されたもので、
内部の工事は、完全には終わっていない模様

 

しかし、中世マニアとしては、涎ものだった
赤煉瓦の外観から、内部の素朴な石造り、
そして数々のミリタリーアイテムの展示

 

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そしてほとんどの展示にドイツ語の解説がついていて、
何かと助かった

 

今はもう、英語よりドイツ語を読む方が楽な気さえ、してしまう

 

驚いたのは、トラカイは多民族で構成されていたということ
バルト人だけでなく、モンゴル系のタタール人や、ユダヤ教の一派であるカライ派、
それから、ムスリムの集団が住む地域もあったのだという

 

一体どこから、とも思うけれど、トラカイでも交易が頻繁に行われ、
黒海沿岸地域とも関係があったことを考えると、分からなくもない

 

 

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それから、再び湖周辺を散策し、
相変わらず緑に弱い私は、一目惚れで琥珀のピアスを買う

 

ああ、それにしても
この水の透き通り方は、なんなのだろう

 

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市内を流れる川も
よく見ると、川底の水草が透けてみえるほど、澄んでいたし、
この写真は浅瀬だけれど、橋をずっと行ったところでも、
底の様子が、蒼く揺らめく

 

いつまでも、眺めていたいよ

 

本当に、将来は湖のほとりで暮らそうかしら、
なんて考えてしまうほど

 

帰り、キビナイという名物のミートパイを食べたのだけれど、
これまた信じられないほど美味しくて

 

リトアニア料理は
塩分量が日本人、ないしは私の感覚と合っている
そして香辛料というより、ハーブとサワークリーム中心に味付けされるのも
私の味覚的には、助かる

 

 

 

市内に戻って、今度はリトアニア大公宮殿へ向かう
学生はたった3€だったのだけれど、
信じられない量の展示と説明

 

これも、ソ連時代に取り壊されたものを、
2003年から再建し、2013年にオープンしたもの

 

最初はその背景を知らなかったから、
いきなり城の地下で遺跡のような展示を見て、首をかしげる

 

歴史の展示は、
中世リトアニア大公国の説明だけざっと読んで、
あとはもうお手上げ

 

今思えば、午前中の展示ですでに頭を使い果たしていた

 

内装の展示に移って、感嘆の息が漏れる
なるほど、再建されたてでピカピカだ
違和感がないわけじゃないけれど、
逆に言えば、これが当時の状態なわけで

 

それにしても、この規模のプロジェクト
一体どこからお金が出たんだろう、と気になってしまう
ていうか、もっと観光客からお金とっていいよ

 

そして、これが完成した今、
リトアニアの人々は、ヴィリニュスの人々は、どんな気持ちなのか

 

この宮殿は、かつて400年ほどこの地に存続し続け、
都市のシンボルとされ続けてきた

 

それをいきなり、外部の為政者に
なすすべもなく取り壊された時、
どれだけの痛みが伴ったのだろう

 

今まで、私はそういう視点でものを見てこなかったけれど、
最近は、残された人々のことをおもうことが増えた

 

 

 

ヴィリニュスは、不思議な街だ

 

路上駐車がやけに多いな、と思っていたけれど、
どうやら赤くなっているスペースは駐車可能で、
多分それは、そもそも駐車場にできるスペースがないから

 

言葉は本当に、一ミリも分からないけれど、
たまに分かる言葉があると(大体ラテン語由来)
ああ、この概念はこの地になかったのかな、と推測する

 

曜日はよく、ローマ数字で表されている
(Ⅰが月曜日で、Ⅶが日曜日、多分)


中央駅周辺は正直、あまり手入れがされていない状態で、
道や建物が崩れたまま放置されている

 

けれど、旧市街に入ると、
バロックルネサンスの建物が立ち並び、
ゴロゴロとした石畳は、まさに古き時代を思わせる

 

そしてもっと奥へ行くと、賑わっている新市街
いわゆる“ヨーロッパ的”街並みが顔を出す

 

違う地区を歩くたび、
違う国に来ているんじゃないか、と錯覚してしまう
全部徒歩で回れるし、そんなに広くはない
いきなり、風景がガラリと変わるその違和感

 

けど、やはり興味深いね
もう一度ちゃんと、この国の歴史もさらいたいな

 

 

 

明日からはラトビア
結局第二の都市カウナスには行けずじまいだったけれど
はてさて、また訪れる機会があるかしら