あまだれのごとく

時々迷い込む後悔の森

20.8.2019

 

 

 

朝、外に出ると、
静かに湿った空気が肌を撫でる

 

トラムの出発時間の2分前、
横断歩道に立ちながら、自分が乗る予定だったトラムを見送る
こんなことにも、この2週間で慣れた

 

嬉しい報せが朝、届いていたので、
13分の待ち時間、それをじっくりと読む

 

私は、どうしても“幸せの量”をゼロサム的に考えてしまう

 

本日、午前中の私は幸せだった
午後、心に暗雲が差すような出来事が起きたのは、そのせいかもしれない、なんて

 

 

友人と発声学の講座を受けようね、と言っていたのに、
彼女は何故か、こなかった

 

その理由は定かではないけれども、
帰り、大教室に寄ってみると、
8人の中国人と、1人の香港人が、
私の分からない言語で討論していた

 

中国人、香港人、なんて形容の仕方が正しいのか、分からないけれど、
こんな表現をしていることを友人らが知ったら、
私はどんな態度を取られるのだろう

 

土曜日、ブランデンブルク門の前で、
中国人の留学生らによる、香港側に立ったデモが行われた
そのデモに、たった1人の香港人である彼も参加していて、
翌日のライプツィヒ遠足の際にも、
リュックサックには抗議を示すシールを貼ったままだった
それも、中国人の彼らの前で、堂々と

 

中国と香港の間にある亀裂は、深刻だ
私はこの留学でこんなにも多くの中国人の友人を作るまで、
彼らがどのような考えを持っているのか、全く正しく理解していなかった

 

少なくとも私が知り合った中国本土からやって来た人の中には、
当局に対して疑いや不満を持つ人は、1人もいない

 

小さなコース内で発生している政治的断裂、緊張感
正直、笑えないくらい恐ろしい、と感じてしまった

 

 

 

そして、そう、
私たちがまさに生活に慣れ始めたタイミング
今、ケルンで同じく語学のコースを受けている友人から、
いきなり「電話していい?」とメッセージが

彼女は語学を勉強するときには日本語を切るタイプの人間
だから、尋常ではない出来事が起きたことは分かった

 

電話口で、彼女は泣き崩れていた
その程度は、前に家族のことで悩んでいたときと、同じくらい

 

「いきなり、彼氏に関係を続けられない、と言われた」
そう告げられた私は、絶句してしまった

 

だって、彼女たちはまさにこの前付き合ったばかりで、
最高に関係は上手くいっていたし、
もう、ベストカップル賞を贈りたいくらいだったのに

 

何の予兆か知らないけれど、
朝、休み時間に、
もし私に大切な人ができたとして、
いきなり別れよう、と言われたら、どんな気持ちになるのだろうと、
少し、考えていた

 

それで、このニュース

 

相手はドイツ人で、9月に会う約束をすでにしていて、
それで会った後に決めるなら、わかるけれど

 

私も会ったことのある相手だし、ますます意味がわからない
けれど、話を聞いていると、
彼が彼女のことを考えすぎたが故に、
独りよがりな決断を下しているように思えて

 

2人の関係性のことは、他人には絶対に口出しできない領域で
それでも、私が納得していないし、
今、彼女の隣に寄り添うべき人が完全に欠落しているし

 

何を言っても仕方がないけれど、
人生って、先が読めないし、
ままならない、ものなのだな

 

 

 

1時間半の長い電話の後、
私は予定通り、ハッケシャー・ホーフに出かけた

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そこで、
セールで半額になっていた、少し高級なジーンズと、
玩具みたいな値段だけれど、最高のデザインのピアスと、
それから、これまた最高のアイスを食した

 

ナーバスになった時はアイスに限る、と言いたいところだけれど、
こっちに来てから、唯一アイス代だけは削れていない
ナーバスだろうが、そうじゃなかろうが、遠慮なく食べてしまっている

 

だって日本より
どう考えても安くて、美味しい
こんなの、やめられるわけがなかったよね

 

 

 

同居人のおばさまは、
先週水曜から出かけたきり、まだ戻らない
メッセージを送ると、
カモメに喋りかけている動画が送られてきて、ほっこりする

 

本当は日曜日に帰ってくるって言っていたのだけれど
別荘に行っていることもあって、
ゆっくり適当に帰ってくるつもりなのだろう

 

別に1人でも問題ないし、気楽でいいのだけれど
自由だなぁ、と
少し羨ましくなるね