あまだれのごとく

時々迷い込む後悔の森

1.6.2019

 

 


深緑の6月がやってくる、
色々なしがらみは、5月の末に、全て置き去りにして

 

 

 

昨日はインターンの最終出社日だった
わずか2ヶ月の間に、本当に色々なことがあった

 

本当はあと一ヶ月続けるはずだったけれど、
社内の体制が変わったり、業務内容が変わったり、
ただでさえ今までも週一で厳しい状況だったのに、
これではまともな仕事ができる状態にないと思ったので、
自分から人事の方に打診したのだった

 

右も左も分からないまま、
毎週毎週残業を積み重ねる日々で、
(勿論私の出勤のタイミングが悪いのも大きい)
正直、自分が正しく動けているのかどうかも分からなくて、
人に迷惑をかけているのかもしれないという疑念が、心に大きくのしかかる

 

だから正直、仕事内容云々ではないけれど、
金曜日は憂鬱だった

 

実際、自分のやろうとしていることに対して、
自分の自由時間が少なすぎることにも気づいていた

 

けれど、
急に決まったことで、なんだか呆気ないし、味気ない
実感の湧かないまま菓子折りを買っている自分にも違和感で、

 

でも同時に、心の奥から深い安堵の息が漏れているのも事実で
だからまあ、これは正解

 

 

 

その更に前日、
私は久しぶりに会う友達と夕飯の約束があった

 

…のだけれど、
会って早々「お金がない」とかいい始めた彼のテンポに流されて、
何故か彼の実家にお邪魔することになり、
もう内心超びっくりだよ

 

いきなりお邪魔して、彼の両親に挨拶することになったり、
(別にただの友達なのだけれど…笑)
美味しい家庭料理を頂いたり、
もう、至れり尽くせりで頭が上がらない

 

建築関係のお家なこともあり、
木のぬくもりを感じられる個性的な空間が広がっていた

 

彼は1年生の時のドイツ語のクラスが同じで、
なんと地味に英語のクラスの片方も被っていた

 

当時からかなり異彩を放っていて
無邪気かと思いきや、どこか影があったり、
飲んでばっかりいるかと思いきや、バイトで社畜をしていたり、
遊んでいるかと思いきや、哲学書を開いているような
飄々とした、捉えどころのない性格

 

クラスが離れてしまったら、縁が切れてしまいそうで、
どこか勿体ないな、とは思っていたけれど、
こんなタイミングでまた繋がるとは思わなかったな

 

なんとなく、
1年の時のあのクラスの縁を大事にしてきた甲斐があった

 

今、彼は休学中で、
12月に個人の写真展を開催するために、
各地で奮闘しながら、またバイトに専念しているらしい

 

写真展を開くというのだけれど、
そういうことに興味があるとは聞いたことがなかったので、
将来そっちに行くの?と問いかけると、
「いや、全然興味ない」
と、にべもなく答える
媒体は大事ではなくて、“プロジェクトを完成させる”ことが目的なのだという

 

話していると、
彼が驚くほどよく物事を知っていること、そしてその透徹した目線に、
はっとしてしまうことが、何度も何度もある

 

だからといって、私が緊張したり、
妙な対抗心が湧いてくるかといえばそうでもなく、
非常に珍しい体験、なんだよなぁ

 

確実に彼はそこにいるのだけれど、
実体としてそこにいないような、
例えるなら、
ある種の「知性」という概念と対話をしている、そんな感覚

 

他の人も彼に対してこういった印象を持っていた(いる)のかしら
人を惹きつける人って、みんなこうなのかしら

 

そんなことを思いながら、
とりとめのない言葉を交わした
涼やかな風の吹き抜ける、テラスの夜