あまだれのごとく

時々迷い込む後悔の森

30.8.2018

 

 

 

貿易商の町として知られるホイアンは、ずっと訪れてみたかった街だった

 

中学生の時に、無数に吊るされた幻想的なランタンの写真に夢中になった
くっきりと色鮮やかなのに、どこかぼんやりとしていて懐かしい色合い
それが夜のホイアンの風景だということを知るのは、
随分時が経ってからだった

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昼過ぎから訪れていたのだけれど、
ノスタルジックとはこのことか、と街を歩きながら思う

 

 

パステルカラーの低い建物の壁からは、
咲き乱れた草花が垂れ茂り、
その木漏れ日が、道端に、建物の壁に落ちる様は魔法のようだ

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そこの人々は雑多な品物を、狭い店内にごっちゃに並べて、
売る気があるのかないのか、店先にただ座っている
そこの子供達が道路を駆けずり回り、犬は店の中に寝そべってそれを見ている

 

とにかくのんびり

 

 

 

博物館の受付の人も、チケットを渡すと無言でそれを切り取り、返してくる
愛想なんてものはない

 

我、他人に干渉せずの精神

 

 

対照的に、売り子は英語で日本語で、
品物を視界に押し付けるように話しかけてくるあの圧といったら、
私も見習いたいくらい

 

 

狙っていたカフェでスムージーを飲み、
美味しいココナッツクッキーにつられてぼったくられつつ、
路地裏の奥に隠れていた風情あふれるカフェでベトナムコーヒーを飲む
甘さが疲れた身体に染み渡る

 

私はとにかくベトナムコーヒーを楽しむことに全力をあげる覚悟でやってきた
明日からは毎日三杯飲まなければ!と改めて意気込んだ

 

ダナンからホイアンまではタクシーで30分
このタクシーが面白い

 

帰り道に出会った陽気なタクシーの運転手は、
私達を乗せて走り出すなり楽しげにベトナム語を喋り出したので、
何事かと思えば、何と電話を始めたではないか

 

そして突然私達に飴を差し出してくれる
驚きつつも、ありがとうといって受け取ると、ゴミも回収してくれる
何という親切、と思うと、自分も剥いて飴を舐めはじめた
成る程、自分が食べたかったのか笑

 

そして、道が空いたかと思いきや、それまで時速40キロだった車が、
いきなりグオーンと物凄い音を立てて急加速する
周りの景色が溶けてみえるくらいのそれに、メーターを確認すると、
時速80キロ超え、おまけになんか警告音らしきピーピー音が鳴ってる
これきっとあかんやつやろ、と音が鳴るたびに笑っていたら、
運ちゃんはそれに乗ってふざけた声を出すので、また笑ってしまう

 

ハイスピードの中、隣の車やバイクとの距離は常にギリギリ、
バイクがいるせいか、ノーマルで車は車線の上、道路の真ん中を突っ走る
もうなんでもありだな

 

ベトナム、思っていたよりも楽しい場所かもしれぬ