あまだれのごとく

時々迷い込む後悔の森

21.11.2018

 

 

 

憧れの、北国へ

 

 

 

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飛行機から降り立った瞬間に、ぴりっと刺すような冷気

ああ、これでこそ北の国だ、と興奮が抑えきれない

 

そして、将来はこの空気の中で暮らしたい、

なんて大それたことまで、考える

 

 

 

17時間に及ぶトランスファー、9時間のフライトを経て、ヘルシンキ

当然、興奮こそすれ、身も精神もやつれ果てていて、友人も私も、ぼうっとしていた

荷物を預け忘れたり、鍵を無意識のうちに閉まってしまっていたりね

 

真っ黒な夜空に、白磁の建物がそびえ立つ

ヘルシンキ大聖堂の前には、もう人気がなくて、閉館かと心配したけれど、

中からは微かにオルガンの清廉な響きが漏れ出ていた

 

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座って、じっと耳をすませる

オルガンが入り口の上にあるのは、

祝福は天から降り注ぐことを表現しているから

確かに、美しい音色に包まれると、洗われるような思いがした

 

後から、オルガンは毎週水曜日にしか演奏していないことを知る

ちょっとした、ラッキーなイベント

 

 

 

それから、アテネウム美術館へ

ここで目当てにしていたのは、ガッレン=カッレラの『カレワラ』の作品群

 

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中でも、この『アイノ』は必ず見たいと思っていた

言い表せぬ、この躍動感と、透明感

 

他にも、レミンカイネンの母の鬼気迫る表情や、

イルマリルの麗しさも、見られてよかったな

 

それから、この絵画

 

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私は、全然北欧のデザインやアートに詳しくないのだけれど、

予想通り、やっぱり一番心を惹かれたのが、風景画

 

中でも、この絵に吸い寄せられた

何故なら、これが一番、私がこの世に存在していてほしい、

理想とする冬の姿に近かったから

 

この夕焼けの色合いの、見事さよ

Fanny Churbergという女性の画家によるものらしい

今度、ちゃんと調べてみよう、と思った

 

あとは、Albert Edelfeltの、水面の描写の美しさに、目を疑った

それはまるで、窓から外の景色を覗いているようで

 

水面は確かに、陽の光を反射して、揺らめいていた

 

 

 

まだまだ、世の中には私の知らない、美しいものがある

そのことを自覚するだけで、日々を生きる意味は、生まれてくる

 

そう、例え楽しみにしていたサーモンスープが、売り切れだったとしても、ね