息を吸って吐くように、シャッターを切り続ける
お目当ての朝食ビュッフェを食べるためだけに、7時に家を出る
真っ暗の中歩き続け、開店時間ぴったりに店の前へ
結論から言って、最高でしかなかった
久しぶりに新鮮な野菜、レバーのペースト、チーズの数々、焼きたてのパン
なかでも、ポリッジの美味しさには目を剥いた
味は完全に、ミルク風味の中華粥
今日はヘルシンキ内をぐるぐる回る日
港のかもめと戯れてから、煉瓦造りのウスペンスキー寺院へ
正教会の寺院に訪れたのは、地味に初めて
イコンがちゃんと教会内に飾られているのを見るのも初めてで、何だか新鮮
再び、フェリーの出航を待つ間にマーケット広場を散策したのち、
海を渡って、スオメンリンナ島
ピンク色の入口の建物は、可愛い
軍事要塞だったとは思えないほど、カラフルな家並み
けれど、一歩迷い込むと、石造りの迷路のように複雑な城塞が、現れる
中世みたいだなぁ、と思ったけれど、建設されたのは18世紀半ば、まだフィンランドかスウェーデン領だったころ
一見長閑に見えるけれど、大砲や射撃穴、塹壕が至る所に
スオメンリンナの歴史は、スウェーデンや、ロシアの間を揺れ動いた、
フィンランドという土地の歴史を、象徴的に表している
あまりの寒さに、カメラのバッテリーが大打撃
勿論私が数秒おきにシャッターを切っていたから、というのもあるけれど、
博物館で触ったカメラは、氷のように冷たかった
1階に、既にドイツ語の文学全集
2階のgeographyのコーナーには、やはり各言語の文献が並んでいる
こういう所が、差だよなぁ、とは思う
石の教会、テンペリアウキオ寺院
室内にはうつくしく、光が差し込む
充実したフィンランドの歴史の展示に、驚き
オーディオガイドが、ひとつの展示について永遠に喋っていた
フィンランドという国が出来てからは、僅か100年しか経っていない
それは、なんとなく昔からひとつの国としてまとまってきた日本人の感覚からは、
想像もできないほどはるかに遠いものなのだろう
そんなことを思いながらそこを後にして、ショッピングをしに、ストックマンへ
そこで、最終日の日曜日、ブラックフライデーで全品20%オフになることを知る
急遽プランを変更し、ショッピングは最終日に回すことに
それから、行こうとしていたレストランの予約をしようと電話をかけたのだけれど、
「明日は満席だけど、今日なら空いているよ」とのことで、
こちらも急遽予定を変更した
漁師小屋風の店内は異世界のようで、
なぜか厨房の入り口には、各国のお札が貼り付けられていた
店の人たちは皆親切で、本当に心地の良い空間だったな、行けて良かった
ぐるぐる、ぐるぐる、めまぐるしく動いた一日、
かつてないほどの疲労感に襲われたけれど、
まあ、きっと後から振り返った時には、忘れているに違いなくて、
また予定を詰め込みまくってしまうのだろうな
まあ、そういう性分なので、ね
致し方がないさ