私が毛布に包まっている間にも、
世界は目まぐるしい速さで、私のことを取り残していく
ここ数日で、すっかり冷え込んだ季節
数日前まで冷房をつけるか迷ったのが嘘のようだ
幸いにも、空が晴れていたので、
ドイツ語の復習の手を一旦止めて、散歩に出ようとカメラを取り出す
そして、外に出て動作確認をしようとすると、
……点かない
どうしても、こういうことは人生には起こる
こんなことでめげていたら、きりがない
そう言い聞かせて、カメラを置いた
さて、iPhoneではどれだけの秋を映せるだろうか
とにかく、ここ数年の秋は、短い
来週末を迎える時には、また風景は驚くほど様変わりしているに違いないから
青い空気に、溶け込みそうな、木
見たままの印象を再現するように、加工をくわえる
色も、匂いも、空気も、そっくりそのまま、等身大で
自然を映している時は、
出来るだけ嘘をつきたくはないな、と思う
この写真を撮りながら、私はふと首をかしげる
露草は、6月の花ではなかったか
調べてみると、露草は6月から9月の花のようで
では、この子たちは数少ない生き残りか、そう思うと、
この花は朝顔と同じで、午前咲いたら午後には枯れてしまう
生き残りというより、花開くタイミングを伺いすぎていたのか
黄金色に輝く斜陽の光と、最後の精気を放つ草木
秋の黄昏ほど、優雅な風景はない、と思っている