あまだれのごとく

時々迷い込む後悔の森

13.10.2020

ざわついていた気持ちは、夏の空気とともに押し流されてゆき、
秋の香りが漂いはじめた今日この頃、
だいぶ自分の揺らぎも治ってきたようにおもう

 

先日たまたま、本当にたまたま
Apple Musicのおすすめプレリスを回してみていたとき、


流れ込んできたある曲が
おそろしく聞き覚えのある、懐かしいメロディで
食い気味に画面を確認する

 

ラブリーサマーちゃんという、
なんとも今風な名前のアーティスト名

 

ブリットポップ、80'〜90'UKロックといったキーワードが
インタビュー記事には並んでいた
記事を繰るうち、最初に言及されたバンド名が
the brilliant green

 

それを見て、ぴったりと腑に落ちたし
私は感動すら覚えたのだった

 

私は、the brillant greenを
それはもう、こよなく愛している

 

その退廃的なメロディも、
砂糖菓子のようで、どこか生々しい歌詞も、
川瀬智子の気だるげな歌声も

 

その新しく出会ったアーティストがまさしく
中学生でブリグリに出会って、そこから強くUKロックの影響を受けて、
と語っている

 

イントロを聞いただけで、私はそれを感じ取った

 

実のところ、私は二重に安堵を覚えていた

 

一つは
ああ、このバンドを私の年代で愛しているのは、私だけではないんだ
という、今まで抱えてきた、感性の孤独からの解放

 

もう一つは
まだ、このテイストは少なからず受け継がれていくのだ、という
飢えからの解放

 

ブリグリは、5、6年前に活動を再開して、
デビュー20周年のアルバムが出るとか出ないとか、そんな話があったのだけれど
まだそれは、持ち上がってきていなくて

 

心のどこかで、
もしかしたら、このまま一生
私はこのサウンドに出会えないのかな、と
先のことを信じられなくなってきていたから

 

ああ、ちゃんと私の好きな音楽は生きている
私の心の中だけでなく、誰かの中にしっかり根を張っていて、
継承者が、ちゃんと育っているんだ、と

 


ラブリーサマーちゃん「I Told You A Lie」Music Video

 

これから彼女が、どのような路線を走っていくのか
そればかりは、分からないけれど

 

とりあえずこの一ヶ月はいつものように、私は
永遠と、擦り切れるまで回し続けるのだろうな