あまだれのごとく

時々迷い込む後悔の森

27.7.2020

気づけば、窓の外でセミがジリリと鳴いている
かと思えば、雨垂れがぽつぽつ、音を立てたり
途端に、豪雨が轟いたり

 

今年は、梅雨がやってくるのが遅くて、
それでいて、妙に長く感じる

 

地面に近い私の部屋には、特にこの時期
立ち上る大地の湿った匂いが押し寄せて、
べとつく足の裏が、妙に陰鬱さを引き立てる

 

 

 

この二週間、いいことも、いやなことも、両方あった
つい先日まで、
ままならないことへの苛立ち、不安、苦しさを、
両膝と一緒に抱えていたけれど

 

ある時、
私は意見がない人間なのではなくて、
他人を観察しているうちに、意思がどこかへ流れていってしまうのだな

 

そう気づいた瞬間、ぱっと霧が晴れたように、
私は数年来、置き去りにしていた自信を取り戻したように思った

 

私の自意識を支えているのは、
確かな情報源から念入りに擦り込まれた知識と、
それらを代入するための、方程式

 

 

新たな分野へ足を踏み入れたことで、
心許無い空白まみれの知空間、
その不安定さが揺らした方程式の枠が、
日蔭から出る勇気を、まるで失わせていたのだと思う

 

間違っていたとしても、自分の論拠に従っていれば、
逆説的だけれど、間違いに対して納得できる
けれど私は、私自身が信じてもいないことをわざわざ発することを、恐れた

 

その出任せからレッテルを貼られることに怯えて
全て、ごっちゃにしていたようだ

 

間違えていても、提出しなければ、
丸付けはできなくて、
永遠に迷宮入りしてしまう

知らないうちにこびりついた水垢のように、
削ぎ落とすのが、日に日に難しくなってしまうだろう

 

他人を思いやる配慮は、どんな場合にも必要だけれど、
それは私の考えを闇に葬る理由にはならない

 

だから、ちゃんと胸を張って、言いたいことは言おう
そのための準備は、もう十分に積み重ねてこられた、はずだとおもうから

 

ふと外に出た時に切り取られていた、青空
この青色を懐かしくおもうような日が、
くるなんて誰が想像しただろうか

 

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