あまだれのごとく

時々迷い込む後悔の森

9.8.2019

 

 

 

ドイツに着いて、初めてのウィークデーが終わろうとしている

 

 


はじめに受けた組み分けテストは、最初やけに簡単だと思ったら、
一つ下のコースのものが配られていたことが分かって、受け直し
40分も無駄にしたし、新しく配られたテストは、
かなりの程度チンプンカンプンだし、
最後に受けた面接も、ボロボロ
(何故か誰だかわからない、ロックスターの風貌をしたおじさんが
写っている写真についてディスカッションさせられたから、
というのもあるけれど)

 

けれど、次の日登校してみると、
私のコースにも私と同程度の運用能力の人がいることが分かった

 

いや、違うな
ペラペラに喋れる人しかいないかと思っていたけれど、
案外喋るとなると難しく思っている人もいた、という程度かな

 

多分彼らはドイツ文学専攻で、
喋る聞くよりも、読む書くを専門にやってきたからなんだろう
つまり、文法や語彙は多分私よりも遥かに、上

 

でも、兎にも角にもなんとか会話は成立するわけで、
全く孤立するというシナリオを書いていた私には、
これ以上ないほど幸せを感じた

 

とともに、いかに今までサボってきたかを痛感したな
プライドとか、恥じらいとか、色々な感情がせめぎ合っていたけれど、
頼れる支柱や、隠れられる壁がない今、
私は今までにないほど必死だ

 

「完璧な語彙がないから伝えられない」と思っていた事柄も、
身振り手振りを使いながら話せば、相手は分かってくれるし、
「文法がめちゃくちゃだから通じない」と思っていた私の言葉も、
単語さえ通じれば、どうにか相手は反応してくれる

 

もちろんこのめちゃくちゃな文法のままというわけにはいかないし、
これがベスト、というわけではないんだろうけれど、
今まで外国人と外国語を話すことを躊躇っていた私からは、
想像もつかない程の、健闘ぶりだ、
自分ってこんなに人から話しかけるようなタイプだったっけ、
自分ってこんなに明るい性格だったっけ、
と自分自身が一番驚いている

 

 

 

何故か私のクラスには異常に中国人が多くて、
「ちゃんと組み分けしたのかよ」と思うほどだったけれど、
そもそも20人近くいるらしいから、仕方がない

 

そしてもう一人、日本人の男の子がいるかと思いきや、
メンバーに変動があったみたいで、
次の日にはもう一人日本人の女の子が増えていた
(が、水面下で起きた出来事だったので、
当初私は全く気付かず、今日初めて日本語で話しかけた)

 

はじめは中国人の多さに気圧されていたけれど、
最初に仲良くなったのが、中国人の女の子だったことや、
初日の見学班が私以外中国人で固まった(?)こともあって、
基本的に中国人の子達と一緒にいるようになった

 

彼らは結構一緒につるんでいて、
その時は中国語で話していることも多い
この中にいることが一概に良いこととは言えないのかもしれない
(周りからすれば、アジア人が固まっている、
というように見なされているのかも)

 

けれど、私は全く中国語が分からないわけで、
つまり私と彼らの共通言語はドイツ語だけなので、
他の言語に逃げることはない
そのことは、強みだと思うんだけどな

 

まあ、良くも悪くも文化圏が近いから、
話題が似通っている、というのもあるのだけれど

 

もちろん、中国人としか話していないわけではない
これまでに、ボスニア人、ハンガリー人、チェコ人、ルーマニア人、イタリア人、ロシア人、ギリシア人、キルギスタン人(!)など、
本当に多種多様な国籍の人と話した

 

違う国の人と喋るのは楽しいけれど、
政治的な問題とか、経済的な問題、
どこが琴線に触れるセンシティブな部分なのか分からなくて、
少し怖く思う時は、たくさんある
しかも、母国語のように流暢に喋れれば、問題は避けられるけど、
わずかな語彙しか持たない中で、相手を傷つけないように喋るのは、
とても難しいことだ

 

そして、休み時間に英語で喋っているグループには、
どうも近づけない自分がいる

 

それは、まず英語で話を振られた時に、上手く返せなくて、
話の邪魔になりたくはないし、
そもそも英語よりもドイツ語で話したい気持ちが強いし、
そして何より、
英語が得意ということは第二外国語もさぞ上手くて、
結局ドイツ語で話すにしても会話にならないんだろうな、と

 

典型的な日本人?の思考パターンだな、とも思うけれど、
こればっかりは、まだ慣れるのに時間がかかりそう

 

でもマイルールとして、
必要な場合でない限り、私は日本人に日本語では話しかけない、
これは未だにちゃんと守っている

 

 

 

そして昨日は、
ほんの出来心で挑戦した市内サイクリングツアーで、死にかけた

 

久しぶりの自転車、なんてことは問題にならない
レンタサイクルの大きさが、完全に成人ゲルマン人向けだったのだ

 

マックスに小さくしたとしても、
到底私の足の長さでは届かない、
無理をしてつま先で着地するのが精一杯、という感じ

 

おかげで、乗り降りする時はトロトロしているし、
車と同じ道路を走っているものだから、つい慎重になりすぎて、
正直観光名物を見ている場合ではなかった

 

しんがりを務めているフランス人のお兄さんに、
迷惑を掛けまくってしまったけれど

 

いや、それでも無事故だったのは幸運としか言いようがない
(だって、一時、交通量の凄まじい交差点を渡ったりしていたし)

 

これぞ Gott sei dank という感じだったな

 

f:id:wannaelfeternal:20190810045618j:plain

 

そして何故か(!)、
いつも仲良くしている中国人の子達と、そのドイツ語の先生とともに、
クロイツベルクでベトナム料理を食べるという、
カオスすぎる状況に巻き込まれる

 

実は彼女たちは同じ大学から来ていて、
その大学で教えているドイツ人がライプツィヒに戻っていて、
今だけベルリンまでやってきたというのだ

 

そもそもこの道中でも、
何故か私たちではなくて彼が地下鉄で捕まるという珍事件が起きたり、
(間違って短距離チケットを買ってしまっていたらしい)
はじまりからカオスだった

 

ワンタンスープを食べ終わった後、
ビールを買って、Tempelhofへ
少し歩いたのだけれど、
そこには広大な草原が広がっていた
ところどころに残されている赤と白の縁石が物語っているのは、
かつてここが飛行場だったということ

 

f:id:wannaelfeternal:20190810045458j:plain

 

今ではベルリン有数のchillスポットになっているのだけれど、
まあ美しく、気持ちの良いこと
先生の知り合いの現地ドイツ人女性とも合流して、
まあ、びっくりするほど楽しい夕べを過ごした

 

こういうことがあるから、
流れに身を任せることって、大事だなと思う
これは私が大学に入ってから、はじめて始めた試みだけれども

 

 

 

 

これに限らず、こっちに来てから(無駄に)重いリュックサックを背負って、
ベルリン中を歩き回っている

 

慣れない環境と、見知らぬ言語と、肉体的疲労
正直、思っていたよりも好感触なのは幸いしているけれど、
寝ても寝ても、日中の眠気が収まらなくなってきた

 

にも関わらず、明日もまた遠足
そしてBADESACHENとでっかく持ち物リストに書いてあって、恐ろしい

 

いや、ちょっと水辺に行ったりするかもだが、
さすがに全身浸かったりはしないぞ!
無理!

 

しかしながら明日の集合は遅めだし、今の家の近所だしで、
久しぶりにゆっくりと朝を迎えられそう
ただ、明日私が行くコースには、仲のいい子たちは殆どいなくて、
やっぱりちょっと不安だ

 

まあでも、適応するしかないよね
まだ一周目、気を抜かずに頑張ろう