あまだれのごとく

時々迷い込む後悔の森

17.2.2019

 

 

長い一日と長い一晩だった

 

 

 

次の日にゲーテの試験を控えた一昨日の夜、

急に押し寄せてきた不安や、悩み事のおかげで、3時くらいまで寝付けなかった

 

そうしたわけで、迎えた朝の眠気に襲われながら、試験会場へ

不安に思っていたSchreibenとSprechenは思っていたよりなんとかなったし、

Hörenも練習よりは聞けた気がするけど、

一番自信のあったLesenの手応えが思ったよりもなくて、ショック

 

いきなり最初のBlog問題、ひたすら同僚の悪口について書いていて、

「私が読み間違えているのか?」と目を疑ったほどで、

そこからもう動揺がはじまってしまったのだった

 

まあ、多分B1自体は取れているような、気がするので、

もう深く考えないよ、

こうして私の春休みがようやく幕を開けた

 

夜は、ある友達の誕生日祝い

もちろんサプライズなのでそんなこと露知らずの彼女、

いきなり一昨日の夜に、

「今日か明日の夜、どう!?」

なんて連絡が来て、ほんとうに相変わらずだな、という感じ

もう一人の友達と焦りながらも、どうにか準備を進める

 

プロダクトデザインっぽいことをやっている子で、

趣味も面白いし時間もなくて、大変プレゼント選びに困ったけれども、

MoMAストアの素敵なデザインのカレンダーを見つけて、

「これは絶対彼女好きだ、笑」と二人で確信して購入

 

落ち合ってからは、まあとりとめのない話を続けて、

笑いすぎて腹がよじれるかと思うほど

 

本当に彼女と過ごしている時間は、嫌なことを思い出さなくて済む、

それは多分、踏み込んでほしくないような領域には、

絶対に立ち込まないからなんだろうな、お互いに

 

料理も全部美味しかったし、

サプライズとプレゼントも、めちゃくちゃ喜んでくれて、

まあ本当に良かった、これからもこの会が続けばいいな

(次の誕生日会の時には、私、日本にいないのだけれど)

 

 

 

主役自身は帰ったのだけれど、何となく帰りたくなくなった、私たち

次の日は予定がなかったし、

ようやく始まった春休みに、開放的な気分になっていた

 

どちらからともなく、ナイトショーの話が持ち上がり、

ずっと二人とも観たがっていたけれど見逃していた、

ボヘミアン・ラプソティ」の回が、ちょうどよい時間から始まることを知り、

午前0時の渋谷のセンター街を、駆けて、

夜の街、新宿へ

 

いつか観に行きたいと言っていたけれど、

まさかこんな無計画に実行することになるとは夢にも思わなくて、

上映開始ギリギリの滑り込みに、二人揃って苦笑した

 

 

 

観ている途中に巡った感情は、とても言葉で言い表せない

一つ言えるのは、感想として「面白かった」というより「楽しかった」の方が正しい

こういった劇場の楽しみ方は、初めてだったかもしれないな

 

私は、残念ながら本当に、音を操る能力がなくて、

楽器も、歌も、人前で喋るのも苦手だし、

だからこそ、こうして文章を綴っているような節はある

 

けれども、やっぱり「音」はすごい

言葉の意味が分からなくても、何から発されているのか分からなくても、

まぶたのない耳には、「音」は確実に届くし、

一様に私たちの方へ、降り注ぐ

 

だからこそ私たちは、あの音を聞くと高揚感を覚えるし、

その場にいる人は、ありえないほど強く連帯感を覚える

「感覚の共有」が為せる技は、想像を超えている

 

「音」だけで何かを語ること、それは本当に強力だ

 

 

 

そして観終わった後、劇場を後にしながら、

涙を流した場面が、ぴったり一致していたことを確認する

 

彼女のことはここに何度も書いているけれど、

本当に、どこかで魂が連結してしまっているのではないかと錯覚してしまう

 

見た目や性格は、全く異なるのに、

 

体調不良を覚えるタイミングも、

唐突な思いつきも、

何かを見たときに考えることも、

情動が始まる瞬間も、

 

無意識下のことで、共有することが多すぎて

 

その後に移動した喫茶店で、夜を明かしながら、

家族とも違うけれど、最早親友というのも、しっくりこないよね、

なんて笑い合う

 

世が明けて、白み始めた空の下、

その時間帯の空気が、一番つめたくて、容赦ない

「本当に、今日は長かったね」

なんて、歯をカチカチいわせながら、駅の方に向かい、電車に乗る

 

そもそも4時間しか寝れてなかったこともあり、

彼女と別れて、即時に眠りに落ちたし、

家に着いてからもやっぱりすぐに寝て、ちゃんと起き上がった時にはもう夕方

 

まあでも、9月からここまで、自分なりにめちゃくちゃ頑張っていたと思うし、

(というか、そもそもこのブログをつけ始めたのが、8月の末かぁ、

早いものだな、と思う)

たまにはこんな、羽目を外す日があっても、いい