あまだれのごとく

時々迷い込む後悔の森

7.12.2019

 

毎週、毎週、
一つは事件が起こるのだな、と

 

先週の日曜日は
「カレー作ったんだけど、良かったらおいで」
と招かれて、日本人三人でダラダラと夜を過ごす

 

それにしてもまさか、スジカレーうどんがこっちで食べられるとは
私も今度、挑戦してみようかしら

 

今週はそもそも予告されていた休講に加えて、
さらに休講が重なったりして、
結局授業を受けていたのは、月曜と火曜だけ

 

たまたま休講になった時間に図書館を訪れたら、
ばったりと友人に遭遇して、
「下にもう一人いるよ」
と言われるがままに向かう

 

そして彼らが立ち去ろうとした時、
夕ご飯の話を始めたから
ああ、二人でこれからどこか行くのかな、
なんて思っていたら、

 

どうやら韓国人の男の子が
韓国料理を作る、という予定になっていたらしい

 

来る?と誘われて、
いいの?それに私7限までだよ?と尋ねると
実は彼らも同じ時間までスポーツコースがあるらしく
じゃあ丁度いいね、と一旦解散

 

7限が終わってから改めて連絡が来て、
「てか、どこにする?」
と聞かれたのだけれど、
いや、私に聞かれても!

 

そもそも図書館での別れ際に、
「そっちの家で作りたい!」
と冗談交じりに言われていたし、
いつか呼ぶね!とは言っていたのだけれど

 

それにしても、何故、今なのか
しかも、私の家は大学から一番遠いし、
下手すれば二人の家を通り過ぎるような感じ

 

まあ、二人だし
ちょっと呼ぶくらい、周りには迷惑かけないか、
とOKを出して、
一足先に戻った私は、部屋を片付ける

 

も、その日に限ってめちゃくちゃ台所が混雑していて
一応、空いてるコンロは使っていいことになっていたのだけれど
21時過ぎに到着して、着席して、ビールを開けて

 

でも、彼に料理を始める気配は見られず
「さっき、買い物して疲れちゃったらしい」
という彼女と顔を見合わせて、
怠惰だなぁ、と軽口を飛ばす

 

しかし、これがラッシュかと思っていたキッチンは
長く他の住民による占領状態が続き、
ダラダラ喋っている間は楽しかったのだけれど、
料理を始められたのは、何と23時過ぎ

 

そして私は、明日1限を控えていた
軽い調子で聞いて来た彼女も、それにはおったまげて
彼を急かし始めたのだけれど

 

いやいや、「まじか!」みたいな反応している彼には、
私もう、これまで5回近く
水曜は1限あるんだよ、って言ったことあるんだけどな

 

まあ、もう彼の忘れっぷりには慣れたけれども

 

まあでも作ってくれたトッポギは、
本当に旨辛だったし、夜食には最高だった

 

 

 

そして次の日、夜明けの空の下

 

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耐え難い眠気を引きずりながら、
何とか1限には着けたのだけれど、
始まっても、教授が全然来ない
そして誰かが、「休講だわ」と発するや否や、
ブーイングの嵐

 

本当なら、家に帰っていたのだけれど、
この日に限って、いつもは火曜日のタンデムの予定が振り返られていて

 

取り敢えず、誰もいない
開放されたての図書館で、2時間ほど睡眠をとる

 

そして、タンデムパートナーと会い、
喋っていたら、割と時間はサクサクと進んでしまい

 

そして来たる木曜日、
1限は休みなのが分かっていたけれど、
ついに、2限も自主休講に

 

木曜2限は歴史学基礎、という講義なのだけれど、
正直、私にとっての有用性が感じられない授業で

 

というのも、内容というよりも方法論に沿ったもので
本格的に歴史学をやる気のない私にとって、
これを聞いていてもなぁ、という感じ

 

出席点だけ集めれば2CPもらえるのだけれど、
正直、私には必要ないだろうし、
たった今日、もう全て切る覚悟を決めた

それというのも、ドイツ語のコースのプレゼンに当たって、
ちょっとずつドイツ語の政治学の入門書を読んでいるのだけれど、
どう考えてもこっちを読んでいた方が私のためになりそうだ、
と感じてしまったから

 

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そして夕方は友人たちとクリスマスマルクトに繰り出した
子供向けのチープなメリーゴーランドを指差して、
「見て、キリンがいる!」
とそのまま乗り込みにいった割には、
「私、ゾウ!」と思いっきり違う動物にまたがる友人

 

最初は、しっかり者すぎて
彼女を見る度、感嘆の息しか漏れていなかったのだけれど、
最近は、彼女のお茶目な一面がどんどん開放されているように感じる
あんな彼女も、多少は外国で暮らすことに、
緊張していたのかな、当初は
などと想像を巡らす

 

次の日は、Neustadt地区に隣人とラーメンに
ここのところ、どうしてもラーメンが食べたくて叶わなかったのだ

 

そしていざ実食すると
これが想像以上に美味しくて、目を剥く

 

それに、日本と比較しても、
平日ならばそんなに高くはない

 

これは、リピート確実
日本自体はそんなに恋しくないけれど、
ラーメンと焼肉、こればっかりは恋しくなってしまうな

 

そして夕方、またもクリスマスマルクトへ
タンデムパートナーと、隣人(も来たのは偶然)
こちらも長らく食べたかったパラクパニール
(何故かクリスマスマルクトで)食べ、
お決まりのグリューワインを飲み干し、
大学で行われた、インターナショナルクリスマスパーティー

 

まあここでも色々あったのだけれど、割愛して、
終わった後は彼女たちと解散してから、
やっぱりそこに来ていたいつメンと合流
近くの寮に付属しているバーでちょっと遊んで、帰る

 

こうして、ここに帰ってくるのが、
いつも、随分遅くなってしまうのよね
毎回毎回、長くなってしまって、
(読んでくださっている人がいるのなら)
オチも何もない文章だし、申し訳ない

 

 

 

それにしても、学術書だよ
全然読み進められなくて、
1ページ進めるのに早くても10分近くかかる始末

 

でも、一章読み終わると、
相当、今まで知らなかった単語が頭に残っているし、
正直政治概念などは、和独ではなかなか引けないものだから
こうして一つ一つ、頭に入れていくしかないし

 

そしてこういう文章に慣れておかないと、
多分もう一つのリーディングの試験で、死んでしまう

 

こっちでは政治に触れる気がなかったけれど、
なんだかんだ、政治って万国共通の話題なんだな、と感じるし、
やっぱりずっと放置していると、
知識が腐っていきそうで、恐ろしい

 

今は政治、歴史、文学、と
色々な分野に手足を突っ込んでいる状態
好きなものをつまみ食いしている、といえば幸せに聞こえるけれど、
実際、立っている足場がぐらつきすぎて、
自分を見失いそうになることが、何度もある

 

けれど、ちょっとずつでも、
「ああ、そういえばこんな概念あったな」とか
「こんな政治学者いたよな」とか
そんな簡単なことで、安心している自分がいて

 

何となく、だったかもしれないけれど、
2年半、それなりに勉強してきたよな、色々、と思う

 

“自分の足もとを掘り下げないと、
どこに言っても勝負ができない”

 

この言葉を、たまたまこのタイミングで拾って、
その通りだな、と胸に刻み込む

 

私はいま、どこに立っているのか
まずそれを知ることから、始めないといけないよな、色々

 

30.11.2019

 

知らないうちに、妙にストレスが溜まっていることってある

 

 

 

月曜日はたまたま7限が休講になったところへ、
友人の一人のための誕生日パーティー

 

「子供っぽい」と揶揄されながらも
壁、天井中に貼り付けられたパステルカラーの風船も、
付け焼き刃で覚えたチェコ語のお誕生日の歌も、
他の友人たちが作っておいてくれていたケーキも、
途中で始めたカードゲームも

 

全部、全部楽しいだけのはずなのに
どうして私は、未だにところどころ、引け目を感じてしまうのだろう

 

火曜日、タンデムパートナーと落ち合って、
先週のことを全て話したのだけれど、
たどたどしい上に、オチがない

 

そもそも日本語で話している時も、
あった出来事を山のように話してしまう癖があって、
それは一重に、
私のフィルターを通して物事を人に判断して欲しくない、
という意識から始まったような気がするけれど

 

結局それって、物事の要点が掴めていない、
単に頭が悪い人、というだけの気もする

 

そして、特にドイツ語になると、
日本語の半分とか、それ以下の遅速になってしまうわけで

 

尺を取りすぎて、本当に申し訳ない気持ち

 

それから、日本語の話になって、
場所を表す場合の、
助詞の「に」と「で」の違いについて、一生懸命説明を試みた

 

聞かれてみると、確かに不思議だ、と
少し説明に時間を要した

 

何故「家で食べます」とは言えるのに、「家で住みます」とは言えないのか

 

私の感覚だと、
「に」の方が継続的で、「で」の方が瞬間的なイメージ
軽く調べてみると、
「に」は持続行為の行われる場所、
「で」は活動の場所を表す、らしい

 

間違ってはないけど、正確な説明ではなかったな
けれど、別に文法だけなら、調べればいくらでも見つけられるのだし
私の感覚を伝えられることが、タンデムの意義だと信じたい

 

それにしたって、文法用語が多少は分からないと、致命的だな
もう少しパッと出てくるように、
こちらも復習する必要性を、強く感じた

 

水曜日は、まあ本当についていない日だった
Learning Agreementを印刷しようと思っていたのだけれど、
たった二枚の印刷に、手こずった挙句、
半分は印刷できなくて、泣く泣くもう一度図書館に足を運ぶ羽目に
それから、教授のサインを一筆もらうためだけに、
なんと2時間以上も、廊下で待たされて

 

最後、教授がとても優しくて、
出身大学を答えたら、
「Herr ...って知ってる?」と
直接習ってはいないけれど、よく知っている教授の名前を出され、
びっくり、唖然

 

まさかこんなタイミングでその名前を聞くことになるとは、
つゆ知らずだけれど、
やはり彼は、相当な有名人なのだろうか

 

それで帰ってきたのが19時過ぎ
そこから隣の子となんだかよく分からない
日本のお好み焼き風お焼きを作ったりしていたら、
もう大分遅い時間で

 

1限で終わっているはずなのに、
もうほとんど勉強できなくって、焦る

 

次の日こそは、と多少勉強して、
金曜日も本当は勉強予定だったのだけれど、
ブラックフライデーだったので、
ショッピングモールへ足を運んだ

 

ずっと欲しかったブーツ、ベルト、
それからスワロフスキーのセットを
自分へのクリスマス、と称してご購入

 

Altmarktではすでにクリスマスマルクトが開かれている
この日は恐ろしくいい天気だったので、
ところどころで立ち止まって写真を撮る

 

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それにしても、もう秋は去ってしまったなぁ、などと思いながら

 

 

 

夜は、友人がスペインから遊びにきた、
ということで、またいつもの場所で夕べを過ごす

 

けれど、妙に悶々とした気持ちで、
最初、人と上手く話せない

 

どうしてだろう、と思い返す
そのうち、友人の一人に
Learning Agreement関連のゴタゴタを話すと
その時だけ、堰を切ったように言葉が溢れ出す

 

そういえば、火曜日はビザを受け取る日で、
それのために書類を用意したり、気を揉んだり

 

そもそも先週いっぱい来客を迎えていて、
殆ど上手く休めなかったり
ベルリンにも出かけたりしたし

 

そして、このLearning Agreementよ

 

今週は無理せず、所々休んでいたつもりだけれど、
それでも知らないうちに、
精神的に負荷が掛かっていたらしい

 

そこに、上手く話せないストレス
あー、発散は自分で上手くやるしかないのに
愚痴って、何も生まないのは分かっているからさ

 

愚痴の時だけ元気になる人ってどうよ、
とまた一人、内心落ち込む

 

ところで、その晩は結構皆ダンスモードで、
何故踊らないの?と説得を受けてしまうほどだった
これはこれで、一つの優しさ

 

うーん、別にそれ自体は嫌ではないのだけれど
完全に羞恥心が邪魔をしているよね
友人の一人に図星を突かれて、ウッとなる

 

求められていることをしても、
しなくても、
ウッとどこか躊躇してしまうのは、私の悪い癖だ
使わなくてもいいところに、思考のメモリを割いてしまう

 

何も、考えなければ
案外全て、上手くいくはずなのに

 

毎日毎日、自分の弱さと
向き合わざるを得ないね

 

24.11.2019

 

 

 

前回投稿した記事を読み直して、
その内容が遥か彼方に思えて
あっという間に、11月が過ぎ行く事実を、受け入れられなくて

 

土曜日は、友人たちとカラオケ
ドイツのカラオケは基本的にバースタイルなのだけれど、
ここのカラオケはたまたまアジアスタイルの、個室

 

歌える歌があるのか、不安だったのだけれど、
YouTubeから直接つなぐタイプだったので、
どの国の歌もそこにはあった

 

けれどまあ、盛り上がるのは英語だし
でも、私には一曲もレパートリーがない

 

こんな時のために、一曲ぐらい歌えるようにしておけばよかったな

 

日本だと、どうしても「上手さ」を気にしてしまうけれど、
こっちの人たちは、本当に心の底から「楽しければOK」
みたいな雰囲気を醸し出していて、
なんだか日本にいた時よりも、カラオケ自体は楽しめたような気がする

 

けれど、残念なことに、
ちょっとしたこと、本当に大したことじゃないのだけれど、
私はその日、心の底から気分が悪くなってしまって

 

その後実は、留学生向けの大規模なパーティーがあったのだけれど、
その気持ちを私は振り切れなかったから、
「これは行くべきではない」と思って、家に向かった

 

しかも、その気持ちを引きずったまま、迎えた日曜日
やらなければならない家事や勉強が溜まっていて、
無理やり手足を動かしていたけれど、どうも回復しない

 

そんな時に台所ですれ違った隣の香港ガールに、
聞いて、とドイツ語で全部、吐き出す

 

話を聞いた彼女は、
実は自分も全く同じような経験をしたし、
なんならこの前旅行に行っていた子との間で起きているという

 

もう、笑ってしまったよ

 

それで気分は治ったけれど、
相変わらず、勉強だけの日は暇だなぁ、
皆に会いたいなぁ、と無意識に感じる

 

そんな自分にはたと気付いて、思わず驚く

 

だって、今まで日本にいた時は、
誰とも会わない日があったって、全く何も感じなかったし、
むしろ邪魔をされないので嬉しいくらいだった

 

やっぱり、留学を決めてから
自分が人間味を少しずつ、取り戻しているように思う

 

月曜日、怠い気持ちを引きずりながら、
中世学の補講に出て、
ビザに向けて必要な書類を印刷していると、
例の香港ガールから連絡が

 

クリスマスにゼンパーオーパーで上演される“くるみ割り人形”を観に行かない?
というお誘い

 

ゼンパーオーパーは学生料金だと10ユーロで見ることができて、
そのチケットは早い者勝ち
そして、もう席は埋まり始めているという

 

本当は明日からくる来客に備えて復習を進めたかったのだけれど、
もうどうにでもなれ、というように、彼女の元へ

 

チケットを手に入れ、馬鹿みたいに往復しているな、
などと思っていると、
最近ずっと連絡を取り合っている韓国人の男の子から
「てか、今日飲まない?」と誘われる
急すぎる?と聞いてくる彼に、ううん、全然OKと返信を入れる

 

とにかく疲れていたし、次のドイツ語も憂鬱だし
モチベを維持するのに良すぎる提案

 

そしてドイツ語の講義の最中に、グループチャットがせわしなく動く
Pegidaのデモを見かけた女の子が、キレていた

 

Pegidaとは反イスラム・排外主義者たちのグループで、

右翼が強いここザクセンでは、残念ながらこのようなデモが頻発する

 

行進しているのは、全員老人だった
それに反対するデモの参加者は30人弱だった
ありえない

 

私たちのグループは、留学生で構成されている
つまり、彼らのデモは私たちへも向けられているわけで

 

私も参加したかったけど、授業中だから叶わなかった

 

彼の家に着いてから、
もう一人の女の子が来るまで、またデモクラシーの話をする
民主主義が全ての国に当てはまるとは思えない、というと
彼は韓国がいかにして民主主義を勝ち取ってきたか、という話をしてくれた
確かに韓国は、民主化の成功例として有名なのだった

 

民主主義じゃなかったら、なんだと思うの、と問われて
私は答えを告げることができない

 

それを考えたくて、この学部に入ったけれど、
まだ全然、答えは出ていない

 

そして彼女が到着し、
くだらない話をしていると、いつの間にか家族の話題にシフト

 

どうしてか、私は彼女に自分がどう思われているか
未だに確信が持てなかったし、
彼女は自分とは違って、さぞかし素敵な家庭で育ったに違いない
私はそう思い込んでいたのだけれど

 

おかしなことに、彼女の抱える問題と、私の抱える問題が
恐ろしく似ていたことを、ここでようやく知る

 

私は、私の考えを彼女に告げたら、彼女は私を軽蔑するのではないか
そう思っていたけれど、実際は真逆で、相当な理解を示してくれた

 

「だから僕は二人を招いたんだよ」
なんて彼は茶化して言っていたけれど
後付けにしろ、なんにしろ、とにかくありがたかった

 

けれど、恐ろしいことに、
この後この二人の間で激しい口論が起こって、
完全な和解のないまま(それでも彼女が許しているのは分かったけれど)
彼女が家を出てしまっていた

 

時刻はすでに午前2時
私もそろそろ帰らなければならない時間だったけれど、
この状態の彼を置いていくことなど、できるはずもなく

 

酷く落ち込んでいる彼に、
「私だって全然良い人間じゃないよ」と土曜日のことを打ち明ける

 

正直、彼に話さないべきなのは分かっていたけれど、
それでも迷っていたのは、
土曜日の別れ際の時点で、
彼だけが私の異変に気付いているような顔つきをしていたから

 

本当は内容に立ち入るつもりはなかったけれど、
話して、とせがまれたので
一通り話を終えると、彼は「分かるよ」と理解してくれた

 

そうしてまた遅い時間に帰って、
次の日もなんとか午前中に起きて、授業に出て、
近所のミュージアムで行われていた、
展示開始祝いのパーティー兼展示場に顔を出して、

いよいよ、大親友を迎えに、中央駅へ向かった

 

見た瞬間、飛びついてしまった
彼女がいるというだけで、ドレスデンがまるでドイツではないみたいだった
その日中に、ずっと溜め込んでいた話を話して、
寝たのはまた午前2時過ぎ

 

ここから、怒涛の寝れない日々が始まるのだけれど、
こんなに寝れなかった一週間は、ドイツに来てから初めてかもしれない

 

次の日はたまたま祝日で、一緒にAltstadt観光
観光の機会を逃しに逃しまくっていた私も、本気の観光

 

結局、アルテマイスター絵画館、陶磁器コレクション、
最高のバーガーランチを挟み、
アルベルティーヌム、ドレスデン城を最後に駆け足で

 

それから本当は友人の家に招かれる予定だったのだけれど、
体調が悪くなってしまった、ということで、取りやめに

 

残念な気持ちを引きずって、家に帰ったのだけれど、
隣の香港ガールを呼んで談話したのは
それはそれで良かった

 

そうしたら、例の彼が
「明日時間あるよ!」と言ってくれたので、
明日皆良かったら飲みに行かない?と聞いたら、
体調の悪かった彼女が、
「明日ならきっと平気だから家でご飯食べよう!」
と声を掛けてくれて

 

もう私も友人も、感動に包まれたよね、本当に

 

そんなこんなで次の日は、私が授業を出た後に合流、
Neustadtの方を縦横無尽して、
疲れ切った私たちは、一旦家に戻ってくる

 

それから友達の家に向かって、
手料理を振舞ってもらったのだけれど、
久々の英語縛りに、何人か口数は少なくなっていたし、
当然私もその一人

 

けれど途中から始めたカードゲームは盛り上がったし、
お手製グリューワインも彼女は楽しめたし

 

双方に、双方のことを紹介できて、
もう本当に素晴らしかったな

あくる日はベルリン行き
せっかく早く行ったのに、なんと停留場を間違えて、
予約していたバスを逃すという非常事態

 

まあでも私からすれば、こんなのは慣れっこだ
ポルトガルですでに、散々苦しんだ

 

ベルリンについて、友達と合流し、
美味しい中華を嗜んで、
それからベルリン組とショッピングやら、カフェ散策やら

 

溜まっていた話を一気に吐き出して、
途中、いろいろ突っ込まれたりして、
ううう、となりながらも、
彼女たちの言うことは正論で
(というか私を非難するつもりもなく、心配してくれている)

 

まあそれにしても、やはり私の置かれている状況は
客観的に見てもストレスフルであったことが分かって、安心する

 

自分で決められない、
自分が責任を負いたくない、
全て人に丸投げ、という人は、よくいるけれど
私はそういう人が一番苦手だし、関わりたくない

 

それでも、出会ってしまうものは仕方ないし
けれど、そういう人のために、私が全て身を削る必要なんて
一つもないのに、何故そこに固執していたのだろう

 

そうして最後も飲みに行って、色々話して、
名残惜しいけど解散、となるはずのところが、
まさかのホテルにチェックインできないという事故が発生して
結局3人そのまま一人の家になだれ込むことに

 

だらだら起き抜けて、遅すぎるブランチを食べて、
夕方は一人でぶらぶら歩いた

 

ベルリンを歩くときは、
何故だか本当に、一人の時が多い

 

正直ベルリン観光に対するモチベがなさすぎて、
色々ミスってしまったみたいな節があるけれど
結局、本屋さんを巡っているだけでも、楽しくて

 

というか、結局私は、
どの土地にいても、紙と文字を求めてしまうのだな、と苦笑


それから親友と合流して、お土産を見て、
何度目かのカリーヴルストを食べて、
バスに乗り、ドレスデン

 

戻って来て、終わってしまったね、と呟く
結局、早く寝ないとと言いつつ、
ポツポツ喋っていると、時刻は午前3時近くで

 

次の日、私が寝坊して、起きて10分で家を出る
そして、またブランチを楽しんで、他愛もない話を繰り返して
でも、列車の発車時刻は刻一刻と迫っていて

 

駅につくと、もう列車は到着していて
最後、車内でずっと名残惜しく、言葉を交わして
ピー、という甲高いベルの音にびっくりしながら、
文字通り、列車を飛び出す

 

呆気なく列車は走り抜けて行って、
なんだか、呆然としてしまった

 

次に会えるまでは、今まで会えなかった期間よりも
遥か長い時間が空いてしまうのだろう

 

それまで、それぞれの場所で頑張るしかないのだけれど

夜、昨日彼女と話していたこと、
アイデンティティの話を思い出す

 

私の人格、性格、特徴ってなんだっけ
今日は疲れすぎているのもあるけれど、
全く机に向かえる気がしなくて
焦っているのに

 

けれど、何故か冬の夜空の下、
ゴミ出しをしている最中に、
「ああ、私のアイデンティティって、戦いだったな」
と、思い出す

 

あまりにも今、やさしい空気に取り囲まれていて
だからこそ、自律性をちょっとだけ失っていて

 

けれど、私が今までの人生で動力源にしてきたのは、全て
何かに対する「怒り」だった
世界に対する、他人に対する、そして自分に対する

 

今これを書きながら、何故思い出したのか、分かった
中2で全てが上手く行っていなかった時期、
それでも私は毎晩、部屋着で外に繰り出して、
100回の素振りを繰り返していた

 

別に、ソフトボールが好きなわけではなかったけれど
自分が凡人なのは分かっていたから、努力を重ねた
そうしていれば、言い訳の必要はなかったから

 

未熟だった、あの頃
それでも私は、凡人な私をしっかりと受け止めていたのだな

 

あの後辺りから、私は装うのが上手くなって、
あまり周りから「凡人扱い」されなくなって
自分自身と他人が見ている虚像の乖離が大きくなって
それがいいことなのか、悪いことなのか分からなくて

 

だから、力を使うのは、常に私の視点で、
不公平だと思うことに対してだった
そういった意味での「怒り」だった

 

そして今は、コンスタントに“怒れる私”は存在しないのかもしれない

 

けれども、
多分、今怒りを向けるべきは、
他者でもなく、世界でもなく
ある側面では凡庸である自分を(誰だってそうなのに)
受け入れられなくて、見て見ぬ振りをしようとしている

 

つまり、まぎれもなく、
自分自身だ

 

辛くても、失敗したくないから諦める、なんてダメだ
それに全ての側面で、他人の長所と比べても仕方がないのに

 

はあ、こんなことは、当たり前のこと

 

他人の前では装っていても、
実は負けず嫌いでプライドが高くて頑固な私

 

いつになったらもっと、
大人になれるのかしらね

15.11.2019

 

なんとなくここに戻ってくる気が無くなっていて、
前回の更新日から一週間以上経っていることに、驚きを隠せない

 

それだけ、月日が過ぎるのは異常に早くて、
でも、私自身はその早さに追いつけずにいる

 

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そして、黄金の秋も、間も無く終わってしまうのだろうな

 

生理前後だったことで不安定だったのもあるけれど、
なんだか、夢のような、
それも、一種の悪夢のような

 

土曜日は、なんとなく買った梅酒を隣人の香港ガールと飲んでいて、
彼女が退散した後に、木曜日の彼から何かの連絡が来て、
今何してんの、と聞かれて、一人で飲んでる、って言ったら
どうして誘ってくれなかったの!と言われる

 

その時には既に22時近かったのだけれど、
電話?うちくる?と聞かれて

 

電話は苦手だし、直接会っていた方が絶対に意思疎通しやすいから
ノリで彼のお宅にお邪魔することに

 

途中フラットメイトのドイツ人も混じったりして、
馬鹿みたいな話、小難しい話、色々したのだけれど、
気づけば時刻は午前3時40分で

 

帰るタイミングを逃したのはあるけれど、
ちょっと長居しすぎて、申し訳なかったな

 

超楽しかったから、またすぐ飲みたい!
と言ってくれたのは良かったのだけれども

 

そんなわけであくる日の日曜日はひたすら家にこもって、
授業の復習

 

月曜日は引きづるように大学へ出て、
緊張しながら、中世学の補講と、ドイツ語
今思えば、この補講でKlausurの話が出たところらへんから、
メンタルがやられているのかも

 

本当に、どうしようね
試験を受けるか、受けないか
決めるのは1月でいいのだけれども

 

課題は出ていない、
ただ聞いているだけなら、聴講と同じだ

 

その授業を理解するためだけに、
私がどれだけの時間を割いて家で復習しているか
試験を受けて、示さなくてもいいものだろうか

 

すごく、自分が宙ぶらりんなことをしているように思えて

 

しかも、ドイツ語の授業は、
今週もよく分からなかった上に、
人数が少なかったせいで、緊張感がすごかった

 

分かっているのか、分かっていないのか
それすら分からない状態というのが、
一番精神衛生に良くない

 

でもそれが今、
毎授業、それから人間関係でも、
繰り返されているわけで

 

火曜日のフィンランド語は、唯一の癒しだけれど、
ちょっとずつ、ちょっとずつ、
復習が追いつかなくなっていく予感

 

全く知らない言語を学ぶって、こんなだったかな
ドイツ語の時も、こんな気持ちを持ってたっけ
しっかり意味と結びつかない言葉たちが、まるで記号のように見える

 

再び、中世学
今週は古高ドイツ語からの母音交換などについて学んだのだけれど、
如何せん、専門用語が全く分からなくて、
講義中に理解できたのは、ほんの30%もいかない気がする

 

具体的に何を問われるのかも、
いまいちよく分かっていないし、
どれだけできればパスできるのだろう

 

水曜日は、さっさと家に帰って来て、
復習をしようと思ったのだけれど

 

色んな人からメッセージが来たり、
金曜日のパーティーの予定を立てたり、
来週のベルリンを訪れる時のプランを立ててあげたりしていたら、
あっという間に家を出る時間に

 

その日は日本人とドイツ人のStammtischが
月に一度、Neustadtで開かれる日で
主に友人が連れて来た、大阪に留学していたというドイツ人の女の子と、
うちの大学に一年間いたというドイツ人の男性と話していた

 

まあ、彼女の大阪弁の流暢さと言ったら
帰って来たときは本当にドイツ語が喋れなくなっていたほど、らしくて、
それだけやれば、10ヶ月でもペラペラになるのだな
私もそうするべきなのかも、しれないけれど

 

それでも、留学生と話している時よりも、
ドイツ人と話している時の方が、
心的ストレスが軽い、ということに、今更気付く

 

多分それは、周りと比べなくていいからだ

 

どうしてプライドって、捨てても捨てても生まれてくるんだろうね
私はどれだけ、傷つくことに対して未熟なのだろう

 

木曜日は、
友人のプレゼントを探しに、あちらこちらを歩き回ったのだけれど、
結局、何もいいものは見つからず

 

いいものが見つからないのに、無理に買っても仕方ないし
そもそも過ぎてるし、私の誕生日も今年は祝えてもらえてないし
相殺、相殺、と思って

 

でも、思ったよりも時間を使ってしまって
また、復習が追いつかなくなる

 

ダラダラする時間を削ればいいのだけれど
どうしても、うまくできない

 

ドイツ語で受ける、ということで脳を消費しているのか
単にサボっているだけなのか、
まあ両方なのだろうけれど、あーあ

 

そして来たる金曜は日本人によるカルチャーパーティー
昼過ぎからダラダラ集まって、
ケバブを食べて、買い出しに行き、
友達のフラットで、ひたすらに作る

 

皆が来たときにはヘロヘロで、
しかも朝から日本語を喋り過ぎて、
ドイツ語はまともに喋れないし

 

皆がありがとうって、せっかく素敵な言葉をかけてくれているのに、
うまく対応できない私

 

なんかでも、皆と別れた後に、
ああ、この疲れは料理疲れ、というよりも、
あまり慣れない、というより話のテンポが噛み合わない人と
長時間いるとこうなるのだな、と思った

これは、言語の問題ではない
何故なら、同じくらいの長い時間を過ごしたはずの
韓国人の友人と過ごした後は、
全く、この種類の疲れを感じなかったから

 

勿論それは、彼が私にめちゃくちゃ気を使ってくれている、
というのは否めないけれど

 

私は今まで、言語が完璧に分かり合えなければ、
本当の意味で信頼しあうことなんて無理で、
それでも一緒にいることを選ぶ人々は、妥協しているのだと
そう思っていたけれど

 

言語が孕むものは、単純な言葉の意味の伝達だけではない
意味の伝達を担うのは、口から出る言葉だけではない

 

人間関係を構築する上で、私たちが本当に理解しなければならないのは、
“相手が何を言ったか”ではなくて、
“相手が何を言おうとしたのか”なんだなって

 

当たり前のことを、ひしひしと感じる

 


“優しい言葉”を使うことも、もちろん大切だ
でもそうではなくて、レトリックではなくて

 

私も、今いる周りの人々のように
優しく、言葉を使えるようになりたい

8.11.2019

実質、まだ週の半分が終わったばかりというのに、
昨日、木曜日は恐ろしいほどの疲労を感じて
床に入ったのは20時過ぎ
そして宅配便からの呼び出しに起こされて起きた今日、
寝ぼけながら玄関ホールに向かって、ふと見やると、
時計は11時前を指していた

 

つまり、15時間も眠りこけていたことになる
おかげで、ようやく身体は万全だけれど

 

実は今週こそ、私が初めてフルコマを体験する日だった
それにしても、思っていたよりも
20時までの7限と、7時半から始まる1限が、きつすぎる
週に一度ならいい、でもそれぞれ二度もあるとなぁ

 

そして終始落ち着かなかったのは、木曜日に来客を控えていたからだった
どこを片付けたらいいのやらとか、何でもてなせばいいのやらとか、
そもそもWiFi繋がるかな、とか色々悩むわけで

 

ドイツでこんなことを言うのも変な話だけれど、
日本語が通じない異性と長時間過ごす、というのは
私にとっては前代未聞すぎて、心の準備が、とおろおろ

 

そして水曜、木曜はなんだかすでにだるくなってしまっていて、
思っていたよりも身体がうまく動かない上に、
今週は恐ろしく講義のドイツ語が理解できなかった

 

しかも私が無駄に設定をいじったおかげで、
一時Whatappが変な状態になっていて、うまくやりとりできていないし
あー、もう本当に
いろんな意味で、メッセージのやり取りほど煩わせるものはない、
日本でも、ドイツでも(私が悪いんだけど!)

 

そして迎えた木曜日、
家に帰ってきて、待っていたのだけれど、
やけに返信が遅いなぁとか思っていたら
ベルリン組からいろんな連絡がきて、ちょうど時間が潰れたのだけれど、
約束の時間ごろに、
「ごめん、あと一時間で行くね!」と連絡が

 

ホッとするような、お腹すいたなぁと思うような
フィンランド語の教科書を開いて復習していると、
今度は時間ぴったり頃に彼から「着いた!」と連絡が

 

最初、本当に心が張りつめていて
すごい暗い人みたいになっていたけれど、
それでも彼が明るく話を続けてくれたのに救われて、
段々と、いつもの調子を取り戻す

 

それに、何より、
韓国ラーメンが美味しすぎた
そう、美味しすぎた、好きすぎた、、

 

普段は人の往来が絶えないキッチンなのに、
何故か昨日は誰も来なくて、
二人でダラダラと食べて、駄弁って

 

食べ終わって、部屋に移って、
ビールを飲みながら、所々笑いながらアニメを見て
「高校生の頃、これを見てちょっと泣いたんだよね」
なんて言うから、存外ピュアだったんだな、なんて思いながら

次のアニメを探したのだけれど、
どうも日本語・韓国語で楽しめるものがなくて
うーん、どうしようね、なんて雰囲気になったところで、
私の置かれている最近のシチュエーションについて語り始めたら、
話は別のところに移って

 

完全に当初の目的を私たちは忘れてしまって、
それから4時間くらい、ずっと話しこけていた

 

かなりお互いのプライベートな話から、
今までの人生の話、政治の話

 

本当に、本当に、楽しかったのだけれど、
同時にいつも通り、自分のドイツ語能力の低さに、
何度も、何度も、落ち込む

 

どうしたらいいのかしら、本当に

 

常に自分が、10個程度の語彙で喋っているのではないか、と感じる
語彙が見つかっても、正しく組み立てられない
組み立てられても、流暢に口から流れ出ていかない

 

昨日は切実に、ああ、母語が恋しいな、と思ってしまった
色々言いたいことはあるのに、出てこなくて、もどかしい
ごめんね、と相手に申し訳なくなる

 

そんなことを思うようでは、
このまま何ヶ月か過ごしたところで、日本に帰ったら
身についた言葉たちは、あっという間に消えてしまう気がして
そうしたら、今この地で出会った全ての人と、
もっともっと、喋れなくなってしまうのかな

 

こんなネガティブな気持ちを掻き消すには、
結局努力を重ねることしかできない

 

そんな簡単な結論を得るのにも、
こうして未だ、日本語で綴らないといけないのだな、私は